2020.10.28ブログ
第1回 マグネシウムのがんへの効果
ガンの原因は多岐に渡るため、○○が原因だとはっきりしたことは言えないわけですが、いろんな要因が複合的に絡んでいることは間違いありません。
その中でも一要因として、ミネラル欠乏があります。
ガンの発症や増殖、そして転移に関与しているというのが危惧されています。
中でも、マグネシウムです。
マグネシウムの欠乏がどうしてガンの発症・増殖に関与しているのか考えていきます。
マグネシウムの基礎として、マグネシウムは、生体の600種類以上の酸素反応に関わっています。
体の中で最も重要なものは、タンパク質。
タンパク質の中でも重要なものは実は酵素なんです。
酵素反応はきちんと作用していないと、私たちは疲労を感じたり、あらゆる慢性疾患に結びつきます。
特にマグネシウムは不足すると、骨粗しょう症・心筋梗塞・糖尿病といった生活習慣のリスクが高まります。
マグネシウムは、海藻類・豆や種・ごま・干し海老・煮干・モロヘイヤ・ツルムラサキ・シソに多く含まれている。中でも有名なのは海藻類。
なぜ海藻類かというと海藻は緑色をしていますよね。
この緑の部分というのは、葉緑素というクロロフィルという成分が多く、クロロフィルの構造をみると、ポルフィリン環の真ん中にマグネシウムイオンが配位されているので、クロロフィルが多い食材にはマグネシウムが同時に含まれているということになります。
では改めてマグネシウムとガンについて話していきます。
大腸がんと関わりがあると言われているわけですが、スウェーデンによる研究によると、ガン歴のない40~75歳女性61、433人の平均14.8年追跡調査では、マグネシウム摂取量が多いほど、直腸ガン・結腸ガンのリスクが低下しました。
このようにマグネシウムをしっかり摂取している人は、大腸ガンに対して予防できると言えるかもしれません。
また、アメリカのテネシー州の被験者2,204人を対象にした大腸ポリープ研究では、マグネシウム摂取量が増えるほど、結腸・直腸ガンリスクが有意に低下しました。
また、閉経後女性140,601人を対象にした平均13年追跡調査では、マグネシウム摂取量が増えるほど、結腸直腸ガンリスクの有意な減少が見られました。
そして、日本の研究でも、45~75歳の男女約8万7千人を約10年間追跡したJPHC研究調査では、男性に、マグネシウム摂取量が高いほど大腸ガンリスクが低くなる傾向が見られました。
また飲食習慣の人やBMI25未満の人の方が、マグネシウムによる予防的効果がはっきりしている傾向が見られました。
膵臓ガンの方も見ていきましょう。
膵臓ガンは5年生存率が最も低いことで有名ですよね。
50~76歳の66,806人の平均6.8年追跡調査では、マグネシウム摂取量が推奨摂取量の75%未満になると、膵臓ガンを発症するリスクが高まると言われています。
この研究は、1日に推奨量よりも100mg少ないと、膵臓ガンリスクが24%高くなりました。
乳ガンも見ていきましょう。
乳ガン患者1,170人を対象にした研究では、食事性および総マグネシウムに高摂取は、全死因死亡率のリスク低下と関連しており、乳ガン死亡率も低下させました。
乳ガンに対しても予防効果があるということですね。
マグネシウムはゲノム安定性、細胞分化・増殖・アポトーシスの調製、血管新生の予防などを通じて乳ガンの進行から保護する可能性があるわけですね。
また、マグネシウム欠乏食を摂取した肺ガンマウスは、ガン移転が増加しました。
動物実験では、マグネシウムとカルシウムの経口サプリメントを摂取した乳ガンのマウスは、有意に生存期間が長く、大きな腫瘍に対して耐性を示しました。
このように、マグネシウムを取ることでガンに対して、予防・治療効果も見られるのではないか、と言われているということです。
マグネシウムを推奨する量は、350~500mg/日。
サプリメントも売られているが吸収率が低いので、なるべく食事から摂っていきたいです。
現在の平均は250gm/日しかとっていないというデータが出ていますので、意識して摂取することを心がけていく必要があります。
なぜ、マグネシウムがガンを予防するのでしょうか。
実はマグネシウムはビタミンDというホルモンであり、抗がん作用のある栄養素を活性型にするんですね。
それぞれの効能効果を比べると類似していることからもそのことがわかります。
この背景には、マグネシウムはビタミンDを活性型にすることによって抗がん作用を発揮させるということが考えられます。
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