2020.11.14ブログ
第11回 トランス脂肪酸について
【トランス脂肪酸】
植物性の油は健康的であるというイメージが強いですが、実は多くの方がその良いイメージだけで摂取し身体を壊していることも知らずに過ごしている方も多いと思います。そんな油の正体は本当に良い油なのでしょうか。
トランス脂肪酸(Trans fat、trans-unsaturated fatty acids:TFA)は、構造中にトランス型の二重結合を持つ不飽和脂肪酸です。トランス型不飽和脂肪酸、トランス酸とも言われます。
トランス脂肪酸は、反芻動物の肉や乳などにも含まれますが、多くは植物油を加工する工程で人工的に水素を添加して硬化した部分硬化油を製造する過程で発生します。それを原料とするショートニング、マーガリン、ファットスプレッドなどに多く含まれています。
植物油や魚油などから得られる天然の不飽和脂肪酸の場合、ほとんどすべての二重結合はシス型をとり、折れ曲がった構造をもちます。一方、酸化による劣化が起こりやすく扱いにくい不飽和脂肪酸から、酸化による劣化がしにくく、扱いやすい飽和脂肪酸を製造するために水素を添加(水添)し水素化させると、飽和脂肪酸にならなかった一部の不飽和脂肪酸のシス型結合がトランス型に変化(エライジン化)し、直線状の構造を持つようになります。このような不飽和脂肪酸をトランス脂肪酸と言います。
トランス脂肪酸は、反芻動物(ウシ、ヤギなど)※の肉や乳に含まれていますが、これは、反芻動物の体内で微生物により産生されるためであり、その結果として反芻動物の肉や乳の脂質のうち2〜5%を占めるものです。天然のトランス脂肪酸として、共役リノール酸やtrans-バクセン酸などがあります。これらの天然のトランス脂肪酸は天然の不飽和脂肪酸の中にわずかに含まれており、バターなどにもわずかに含まれます。
※反芻(rumination)
食物(通常は植物)を口で咀嚼し、反芻胃に送って部分的に消化した後、再び口に戻して咀嚼する、という過程を繰り返す食物の消化方法。反芻を行う動物を反芻動物(Ruminant)といい、ウシ・ヤギ・ヒツジ・キリン・バイソン・シカ・ヌー・アンテロープ(以上は反芻亜目)・ラクダ・ラマ(ラクダ亜目)が含まれる。
2003年、WHO/FAOが合同で開催した「生活習慣病の予防のための会議」で、食品から摂取する総脂肪、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等の目標値をに設定しました。 その中で、トランス脂肪酸は一定量摂取するとLDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らして、心血管系疾患の一つ、冠動脈疾患のリスクを上げると指摘されています。また、摂取量は全カロリーの1%未満にするよう勧告されています。
日本人が一日に消費するエネルギーは平均で約1,900 kcalですので、平均的な活動量の場合には一人一日当たり約2グラム未満が目標量に相当します。
その後、世界的にトランス脂肪酸の規制が広がり、表示を義務化した国もあり特に、06年にニューヨーク市がレストランでのトランス脂肪酸禁止を通告して、日本でも広く知られるようになりました。
FDAも当然その有害性は充分に認識していて、事実、トランス脂肪酸の使用を減らすことで年に7,000人の死者と最大2万件の心臓発作を回避できる可能性があると指摘しています。
欧州食品安全機関(European Food Safety Authority)は、2010年12月の段階で未だに統一した法的な規制を設けていませんが、加盟国が独自に国内での取り決めや指導・勧告を行っています。
表2はその働きかけをまとめています。
各国では規制がすすんでいますが、日本では特に規制はなく、日本のマーガリン類には脂質の8%程度のトランス脂肪酸が含まれています。ファットスプレッドは油脂の少ないマーガリン類(食用油脂が80%以下)であり、そのため同量の製品ではファットスプレッドの方がマーガリンに比べて製品重量あたりトランス脂肪酸が少ない傾向にあります(脂質の内訳としてトランス脂肪酸が少ないという意味ではない)。
日本は表示義務や罰則などは一切ないが、企業が独自にトランス脂肪酸に対しての働きかけを行っています。
表3はその内容をまとめています。
また、トランス脂肪酸の摂取によりトランス脂肪酸の結合している水素原子によって体内の酸化が進み、細胞遺伝子が酸化されてガンになる可能性が高くなると言われています。また、トランス脂肪酸は大量の活性酸素をつくり出してしまうと言われています。活性酸素は、あらゆる物質のなかでも、もっとも深くがんの発生にかかわっていると考えられています。 アメリカではガンによる死亡率とトランス脂肪酸を含む植物油の消費率の増加がほぼ一致しているというデータさえ報告されています。がんの予防にはオメガ3脂肪酸の摂取で効果があると言われています。実際に、オメガ3脂肪酸の一つであるαリノレン酸には、正常な細胞に危害を与えることなく、がん細胞の死滅を促進させるという報告があります。また、がん患者の血液を調べると、オメガ3脂肪酸や細胞膜をつくるために必要なリン脂質が不足していることが多いです。オメガ3とオメガ6の2つの必須脂肪酸はリン脂質の構成する要素になります。
がん細胞は、自身の細胞膜をつくるのに不可欠な栄養素が不足していることが原因で発生するのではないかという指摘もあります。
身体に害があると言われているトランス脂肪酸は出来る限り摂取しないように心掛け代替食としてバターなどにしていくことで身体への影響を少なくしましょう。
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