2020.11.29ブログ
第13回 グルテン(構成、セリアック病、グルテンフリーの功罪)
グルテンは、小麦のたんぱく質の1種です。小麦食品は、パン、パスタ、マカロニ、ビスケット、洋菓子、スナック菓子、うどん、十勝そば以外のそば、団子、一般もカレールー、米粉パン、餃子、シュウマイ、揚げ物の衣などです。
こうした製品に含まれるグルテンは、健康被害などが報告されています。
1)構成
精製小麦の成分は、水分が14%、糖質が75%、食物繊維が3%、たんぱく質が10%、脂質が2%です。そしてたんぱく質のうち、約80〜85%がグルテンで占めています。グルテンとは、グリアジン、グルテニンという2種類のたんぱく質が結合したものです。
グルテンというたんぱく質があるわけではありません。骨格をグルテニンが作り、その間をグリアジンが埋めます。構成比としては、グリアジンが50%、グルテニンが50%です。
(1)グルアジン
グルテンによる身体への影響は、ほとんどグリアジンによるものです。グリアジンは粘性、伸展性を持ち、プロラミンの一種とされています。なお、グルテニンはグルテリン(ゴムのような弾性のあるたんぱく質)の一種です。
なお、プロラミンは次のような種類があります。
小麦のグリアジン、大麦のホルデイン、ライ麦のセカリン、トウモロコシのゼイン、オート麦のアベニン
グルテンフリー食品は、上記たんぱく質とグルテリンを含め、これらすべてを除去した(あるいは含有しない)食品と、アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)やCODEX(国際食品規格)委員会は定義します。
セリアック病
グルテンに対して発症する病気がセリアック病です。欧米人の約1%が、この自己免疫疾患に罹患していると言われています。自己免疫疾患とは、免疫反応が過剰に反応して、味方であるはずの正常な組織・細胞まで攻撃して傷つけてしまう病気です。
自己免疫機能がプロラミン、特にグリアジンに過剰反応して、リーキーガットや小腸の絨毛の萎縮・破壊、粘膜炎症を引き起こします。
正常な絨毛にはひだがあることで、表面積が広がり栄養の吸収効率を高めています。しかしセリアック病になると、絨毛がなく吸収面積が小さくなるため、吸収不良が発生。それに加え、体内で炎症が起きやすくなります。
(1)非セリアックグルテン過敏症
セリアック病のなかでも、小麦アレルギーではないのに過敏反応を起こして症状が出てしまう人がいます。これを非セリアックグルテン過敏症(略称、NCGS)と呼びます。
イギリスの調査では、イギリス人の約13%が非セリアックグルテン過敏症に罹患しているというデータもあるほどです。実際の症状は、セリアック病と似ています。
下痢、胃痛、膨満感、上腹部の痛み、便秘、不安感、鼻炎、疲労感、湿疹、発疹、貧血、うつ、頭痛など
非セリアック病と、グルテン過敏症はもともと別の病気と考えられてきました。しかし現在では、セリアック病はグルテン過敏症の1部だという説もあります。
グリアジンに過剰反応するメカニズム
腸の上皮細胞にグリアジンの未消化ペプチドが来ると、ケモカインレセプターCXCR-3に結合し取り込まれ、上皮細胞内のたんぱく質であるゾヌリンを放出させます。
放出されたゾヌリンは、上皮細胞の受容体に結合し、新しい化合物を生成。この化合物が、 細胞同士を接着させる細胞接着装置であるタイトジャンクションという接合因子を分解してしまうのです。
これにより、上皮細胞間で隙間が生まれ、未消化物が隙間を通過し毛細血管に到達。すると免疫細胞が、これを反応し異物とみなし炎症反応を起こしてしまいます。これがいわゆるリーキーガットです。
グルテンと1型糖尿病との関連
1型糖尿病の両親の間に生まれた赤ちゃんを対象にしたドイツの研究では、生後3ヶ月までにグルテン入りのシリアルを与えられた子供の場合、母乳のみで育った子どもとよりも、膵臓のランゲルスハンス島の自己抗体を発症するリスクが高いという結果が報告されました。
また、グルテン摂取は抗炎症細胞のTレグ細胞を減少させ、逆に自己免疫疾患に働くTh17細胞を増加させるという研究もあります。グルテンそのものがセリアック病の発症因子でもあり、1型糖尿病の発症にも影響を与えている危険性もあるのです。
グルテンフリーダイエットの功罪
最近流行しているグルテンフリーダイエット(通称GFD)。ヨーロッパでは、2014〜2019年でグルテンフリー食品の市場経済が約10%伸びたというデータもあります。
スウェーデン1,031人を対象にグルテンフリーダイエット実施後のアンケートが取られました。それによると、腹痛、膨満感、疲労、うつ、頭痛、胸やけ、発疹、抜け毛といった症状が、緩和または改善されたそうです。
アメリカでグルテン感受性患者26人、セリアック病患者42人、消化不良対照患者39人にそれぞれグルテンフリーダイエットを実施したケースでも、グルテン過敏性による症状が数日以内になくなりました。
グルテンフリーダイエットの効果は、各国でいろいろ報告されています。しかし、その一方にある「落とし穴」にも注目しないといけません。
イタリアの研究では、グルテンフリーダイエットの食事をするとビタミンB12、葉酸、鉄、亜鉛、マグネシウムなどが欠乏しやすいと判明しています。グルテンフリーダイエットの食品が、加工食品に集中してしまうのが原因です。
もしもグルテンフリーダイエットを試したい場合、一定期間その食事を続けて、身体の悩みが改善されるか見る必要があります。もしも症状が変化しないのであれば、それはグルテン由来ではないと言えるでしょう。
あるいはグルテンフリーダイエット実施後、改めて小麦食品を食べてみたときに、調子が悪くなればグルテンの影響を受けていることになるでしょう。極端な食事療法は、栄養失調や体調不良悪化の要因になるということを肝に銘じ、自身の食事に活用していくことを推進します。
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