2021.01.16ブログ
第19回 サプリメント学(定義、重要性、種類)
サプリメントの定義として浸透しているのは、アメリカでの食品の区分のひとつであるダイエタリー・サプリメント(Dietary Supplement)の略称です。
不足しがちなビタミン、ミネラルなどの栄養摂取を補助したり、ハーブなどの成分による薬効の発揮を目的としたりする食品を指し、日本語では栄養補助食品や健康補助食品とも呼ばれます。
サプリメント摂取の重要性
現代では食生活のアンバランスを整えて、不足しがちな栄養素を効率よく摂取するサポートとして、サプリメントの摂取が必然であるとされています。その理由をいくつか見てみましょう。
1)農法の変化による栄養素低下
野菜や果物の栄養量は60年前と比較して、50%以下にまで減少しています。その原因となっているのが、化学肥料や農薬の使用、ハウス栽培などです。
現在注目されている有機農法は、動植物の死骸や糞など様々なものを分解し、植物の成長にとって必要な肥料に変える、土の中の菌類・細菌・微生物などの力を利用した農法です。
有機農法で獲れた野菜は、ミネラル類、微量成分を豊富に含むことで、美味しく栄養も十分含まれた野菜ができあがります。
2)食の欧米化
戦後日本は食の欧米化が進み、外食産業が一気に発展しました。食卓に肉料理や揚げ物料理、加工食品など並ぶようになり、ビタミンやミネラルの摂取量が減少。加熱を中心とした食事により、食物酵素も大半が失われてしまいます。
「国民健康・栄養調査」に基づいて年齢階層別の魚介類摂取量をみてみると、若い層ほど摂取量が少なく、特に40代以下の世代の摂取量は50代以上の世代と比べて顕著に少なくなっています。ただし、近年では、50~60代の摂取量も減少傾向にあります。
3)流通・冷蔵・店頭陳列で失われる栄養
かつて野菜は畑から採ってすぐ、八百屋で販売され、食卓に上がりました。現在は収穫された野菜がトラック輸送され、流通経路をたどって倉庫に保管。場合によっては長期間保管され、店頭で販売されます。
購入後も、私達の過程にある冷蔵庫などで数日間保管。ビタミン・ミネラルの多くは安定性が悪いため、衝撃・時間経過でどんどん失われます。泥のついた野菜は、泥のミネラル分が乾燥と栄養の劣化を防いでくれます。きれいに表れた野菜は、あ水溶性ビタミンやミネラル失われているのです。
4)調理による栄養素の損失
ビタミンCやビタミンB群などは、流水、加熱など調理で失われてしまいます。ほうれん草を水に5分間さらすと、ビタミンCが約20%流出。1分茹でればさらに約26%失われ、カロテンも加熱で約10~25%失われます。
ほうれん草に関わらず、他野菜に含まれる栄養素も、調理で減少している可能性は高いです。
5)フリーラジカルの増大
煙草、アルコール飲料、薬品、電磁波、化学物質、大気汚染、放射線などで体内に発生するフリーラジカルは、体内のあらゆる細胞を絶えず攻撃します。これに抵抗するには、抗酸化作用の高いビタミンやミネラル、その他の栄養素を、十分量摂取しなくてはなりません。
6)ストレスの増大
社会的・精神的ストレス要因の増加で、抗ストレスホルモンが大量に作られると、ビタミンやミネラルを過度に消耗させます。
形状と種類
それぞれの形状の特徴を知ることは、賢いサプリメント選択の基本のひとつです。
一般的に、タブレットよりカプセルのサプリメントの方が吸収率は高いといえます。カプセルのものは基本的に原材料だけの粉末なので、充填剤や成型のための結合剤などが使われている粒状のものに比べ吸収率がいいのは当然といえます。
1)パウダータイプ
粉末状、顆粒状をしています。固形では摂りにくいたんぱく質、繊維質の補給に向いています。すぐ溶けるので即効性も期待でき、充填剤・成型用結合剤・光沢剤といった添加物は使われていないケースが多いです。アレルギー・過敏症の人も飲みやすいです。
一方で味を変えるため、合成甘味料が入っているケースもあります。
2)タブレットタイプ
薄い円柱状をしています。粉末・液体に比べて品質の保存性が高く、携帯にも適しています。成分によって時間差で溶けたり、胃ではなく腸で溶けたりするものもあります。
しかし、結合のために凝固剤・増粘剤が使用されていることが多いです。
3)カプセルタイプ
細長い筒状をしています。パウダー状のサプリを飲みやすくするために用いられています。外殻にはゼラチンなど動物性原料を使用したもの、セルロースなどの植物性原料を使用したものとがあります。
粉末・液体に比べ品質保存性が高いです。携帯にも適している他、比較的飲みやすいというメリットもあります。最近は粉末ではなく、液体充填のタイプも出ています。カプセルの原料によって、合わない人もいます。
4)ソフトジェルタイプ
半透明の楕円状で、弾力性があります。脂溶性の液体成分を包むのに用いられ、外殻はゼラチン・油脂などを原料とします。錠剤・カプセルより飲みやすく、溶けやすいのが特徴です。
一方で、使用できる成分は限られています。
5)リキッドタイプ
液体状で、吸収性に優れ即効性も高いです。充填剤、成型用結合剤、光沢剤といった添加物も使われないことが多く、アレルギー、過敏症の方にも適します。
リキッドタイプのサプリメントは一般的に高価格で、飲みやすさを重視するために糖質・香料が使われている場合があります。
6)ゼリータイプ
ゼリー状で、水なしに手軽摂取できます。吸収性・即効性に優れます。栄養素含有量に対して高価格であり、飲みやすさ重視で糖質・香料が使われています。
ワークアウト・サプリメント
ワークアウト・サプリメントはトレーニング効果を高める場合、トレーニングによる弊害を抑制する場合に、トレーニングのタイミングに合わせて摂取するサプリメントです。
プレワークアウト・サプリメント、イントラワークアウト・サプリメント、ポストワークアウト・サプリメントの3種類あります。
1)プレワークアウト・サプリメント
トレーニング前に摂取するのが推奨去れているサプリメントです。
(1)BCAA
身体は運動で、筋肉の分解・合成を繰り返します。 BCAAは筋分解を抑制するほか、運動時のエネルギー源となり集中力をアップさせる効果もあります。
BCAAは、摂取後約15分で血液レベルが高まり、約30~60分後に最大値に。約2時間後には使い切られ、血液中のレベルは元通りとなります。運動開始時で血中BCAA量が十分あることが望ましいため、運動をはじめる約30分前にBCAAを摂取します。
一回の摂取量は5~10g、体重10kgにつき1gを目安にしてください。
BCAAは、眠気覚ましとしても有効利用できます。カフェインとは違った経路で働くため、仕事前に紅茶やブラックチョコレートと一緒にBCAAを飲めば、普段より集中して作業できます。
(2)一酸化窒素(NO)
一酸化窒素は体内でアルギニン、シトルリンから産生されて、栄養素の運搬を促進します。一酸化窒素の体内レベルが上昇すると、運動パフォーマンスの上昇、酸素消費効率を上げて疲労に至る時間を延ばすなど、パフォーマンスが向上するという研究が多く報告されています。
2)イントラワークアウト・サプリメント
トレーニング中に飲むのサプリメントです。
(1)BCAA
運動が長時間におよぶ場合、運動中にBCAAを摂取します。水溶液中でも安定しているため、事前に水で溶かして保存しておくことも可能です。
(2)糖質
吸収の早い糖質にはブドウ糖、マルトデキストリンが該当します。ブドウ糖は消化の必要がなく即効性のある一方、浸透圧の関係で胃もたれ、下痢を引き起こすこともあります。それに対して、高分子の糖質は浸透圧が低く、胃もたれや下痢をしにくいとされます。
ある研究で、平均23歳の熟練トレーニー16名を対象に、体重1kgあたり1.2gの糖質を含んだ溶液(濃度10%)を飲ませましたすると、インスリンは低分子・高分子共に40分後にピークを迎えます。しかし、グルカゴンは低分子の方が早く低下しました(※1)。
またスクワットを10回5セット行わせたところ、4セット目と5セット目において高分子群の方がパワーが持続し、低分子群は糖質を摂取しなかった群と変わりませんでした。(※2)
この研究では、被験者のグリコーゲンを枯渇させた状態で行ったため、運動前に十分な糖質を摂取した場合は、あまり変化がないかもしれません。ちなみに運動前の食事は、高脂肪の方がグリコーゲンの節約になるため効果的だという報告もあります。(※3)
運動量の多いトレーニングをする場合、1日2回など複数回運動する場合(1回目は技術練習、2回目はウエイトなど)などは、運動中に糖質を摂取するメリットが大きいでしょう。
低予算の場合、運動前にしっかりと食事で糖質・脂質を摂取して、エネルギーが持続するように心がけましょう。
※1:Effect of post-exercise ingestion of different molecular weight carbohydrate solutions. Part 1: The glucose and insulin response
※2:Effect of post-exercise ingestion of different molecular weight carbohydrate solutions. Part III: Power output during a subsequent resistance training bout
※3:Pre-Exercise Nutrition: The Role of Macronutrients, Modified Starches and Supplements on Metabolism and Endurance Performance Nutrients. 2014 May; 6(5): 1782–1808.
3)ポストワークアウト・サプリメント
トレーニング後に補給するサプリメントで、プロテインとグルタミンなどが代表的です。運動後はできるだけ早くグリコーゲンを回復させ、インスリンの分泌を促すことで、筋分解を防ぎ筋合成を活発にします。
(1)プロテインパウダー
運動後30分は「ゴールデンタイム」と呼ばれるほど、プロテイン摂取が推奨されるタイミングです。1日の総たんぱく質摂取量は、除脂肪体重1㎏あたり2~3gが目安です。
(2)グルタミン
ハードトレーニングに伴う免疫低下の抑制、筋肉分解の防止、グリコーゲンの回復を目的に、トレーニング後グルタミンを摂取します。摂取量はトレーニング直後、約5~10gを目安にしましょう。グルタミンは水溶液中だと不安定なため、水に溶かしたらすぐに飲んでください。
グルタミンは元々、胃腸の調子を整える効果もあり胃潰瘍の薬として使われるほか、ピロリ菌に対する効果も報告されています。起床直後などの空腹時、約2~3gを摂取することで胃腸を整える作用も期待できます。
栄養学的エルゴジェニックエイズ
栄養学的エルゴジェニックエイズとは、身体生理作用、運動生理作用を向上させる効果が期待できる物質の総称です。エネルギー補給、エネルギー生産、疲労回復と大きく3種類あります。
現在も科学的根拠・長期摂取による安全性は未確認の部分も多く、現在研究中です。
効果と物質の一例
・エネルギー補給:分岐アミノ酸、クレアチンなど
・エネルギー生産:ビタミンB群、コエンザイムQなど
・疲労回復:重炭素塩など
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