2021.04.03ブログ
第30回 酵素
酵素は、生体で起こる化学反応に対して、触媒として機能する分子である。生物の消化・吸収・代謝・排泄といったあらゆる生理現象に関与する。多くの酵素は、生体内で生成される蛋白質を主原料に構成される。
1)主な性質と働き
(1)触媒の働き
体内で発生する化学反応は、高いエネルギーの遷移状態の経由が必要とする。酵素はこの状態を起こすための障壁を下げ、化学反応が進みやすい状態を促す触媒としての機能を持つ。なお、生体内では多数の化学反応が、1気圧、37℃、pH7.4で効率よく進むとされている。
(2)恒常性の維持
酵素は、体内の化学反応の速度を調整する因子の一つでもある。ここでの化学反応とは、物質の合成や分解、エネルギー産生、解毒などがあり、酵素反応の異常は、疾患の原因ともなりやすい。
2)主な種類
体内には、約3,000種類もの潜在酵素(体内酵素)があるとされており、それらは大きく消化酵素と代謝酵素に分けられる。消化酵素は、摂取した栄養分を分解し、吸収しやすくする。代謝酵素は吸収した栄養素を、エネルギーにするよう働く。
(1)主な消化酵素
一般によく知られる消化酵素は、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼの3種類である。
(1)−1 アミラーゼ
デンプン分解酵素で、ジアスターゼとも呼ばれる。唾液中に多く含まれ、熱に強い種類も多い。アミラーゼには異性体が多く、次のような種類がある
・α-アミラーゼ:デンプンをランダムに分解
・β-アミラーゼ:デンプンをマルトース単位で分解
・グルコアミラーゼ:デンプンをグルコース単位で分解
(1)−2 プロテアーゼ
蛋白質分解酵素のこと。胃液に多く含まれており、種類が豊富である。また、次のように固有名称を持つプロテアーゼも多く存在する。
・パパイン:パパイヤに含まれる
・ブロメライン:パイナップルに含まれる
・アクチニジン:キウイに含まれる
・フィシン:イチジクに含まれる
など
他にも果物由来のプロテアーゼであるシステインプロテアーゼや、納豆に含まれ血栓を溶解することで知られるナットウキナーゼなども挙げられる。それぞれの種類で、至適pHが大きく異なることが特徴だ。
(1)−3 リパーゼ
脂質分解酵素であり、グリセリンや脂肪酸のエステル結合を分解する。熱によって失活する酵素が多い。主に次のような種類がよく挙げられる。
・ホスホリパーゼ:リン脂質を分解
・ペルオキシダーゼ:シド結合を分解
・セルラーゼ:セルロースを分解
・カタラーゼおよびペルオキ:過酸化水素を分解
・ペルオキシダーゼ:シド結合を分解
など
リパーゼは工業的に油脂の改質や、プロテアーゼとともに胃腸薬などの医薬品などに使用されている。
3)食品内に含まれる主な酵素
(1)果物
パパイヤ、パイナップル、イチジク、キウイ、メロンのほか、りんご、柑橘類などに多く含まれる。
(1)−1 青パパイヤ
パパイン、キモパパイン、リソザイム、パパイヤペプチアーゼ、リパーゼ、アミラーゼなどを多く含む、至適温度は70℃で、分解力は非常に高い。
パパインは青い未熟のパパイヤ(特に葉)に含まれ、成熟した果実にはほぼ含まれない。青パパイヤの酵素の量は、熟したパパイヤの約10倍、パイナップルの約6倍にも達するとされる。
パパイヤはパパインのほか、カタラーゼ(活性酸素の除去、アルコール分解を促す酵素)、アミラーゼ、プロテアーゼ、トレハラーゼ(免疫力を高める酵素)など、多くの有効な酵素が含まれる優秀な果物である。
(1)−2 パイナップル
ブロメライン、アクチニジンを多く含む。生のパイナップルを摂取すると、舌が痒くなることがある。これは酵素によって舌表面の蛋白質が溶かされているからと一般に言われるが、実際にはパイナップル中のシュウ酸カルシウムが針状結晶を含むため、食べ過ぎると口内が荒れる生体防御反応が原因と言われている。
(1)−3 いちじく
フィジンを含む。至適温度は80~90℃である。
(1)−4 キウイ
アクチニジンを多く含む。至適温度は30~60℃で、コラーゲンを分解するが、アクチンやミオシンの分解力は弱いとされる。
(1)−5 メロン
ククミシン(蛋白質を加水分解する酵素)を含む。至適温度は75℃で、分解力はそれほど高くない。
(2)野菜
大根、にんにく、やまいも、しょうが、舞茸のほか、キュウリ・にんじん・小松菜・ブロッコリーなどに多く含まれる。
(2)−1 大根
アミラーゼ、カタラーゼ(活性酸素分解酵素)、プロテアーゼ、オキシダーゼ(癌物質分解物質)、リパーゼ、セテラーゼ(蛋白質分解酵素)を多く含む、葉にはカロテン、ビタミンC、E、食物繊維が多く、根にはビタミンCが葉の1/3ほど含まれている。大根だけで約100種類もの酵素を含むと言われている。
(2)−2 にんにく、にら、ねぎ、たまねぎなど
アリイナーゼ(蛋白質分解酵素)を多く含む、至適温度が30℃で、60℃を超すと失活するため、弱火でゆっくり加熱しての調理が望ましい。
(2)−3 やまいも
アミラーゼ、グルコシターゼ(グルコース分解酵素)、カタラーゼを多く含む。至適温度は80~90℃。その高い滋養強壮・薬効性から「山うなぎ」「根菜類の王様」ともされ、イモ類で唯一の生食が可能である。とろろ、千切りなどの調理法で細胞を破壊すると、酵素の働きがさらに活発化される。
(2)−4 しょうが
ショウガプロテアーゼという固有の酵素を持つ。至適温度は30~60℃。
(2)−5 マイタケ
マイタケプロテアーゼという固有の酵素を持つ。至適温度は50~75℃。亜鉛、ナイアシン、ビタミンDなどビタミン、ミネラルが非常に豊富。
4)消化酵素・代謝酵素の関連(ファスティング)
消化酵素・代謝酵素は相互に関係が深く、消化酵素が活性が強くなると代謝酵素の活性が弱まる(逆も然り)。潜在酵素は消化酵素が優先されるため、食事内容で潜在酵素のバランスが大きく変化する。
ファスティング時には食事の摂取量を抑えるため、代謝酵素の働きがより活性化されやすい。そのため慢性的な倦怠感や不調の改善、機能低下していた内臓の疲労回復、免疫機能・自然治癒力の向上が期待できるとされている。
#FUJIIパーソナルジム #杉並区 #方南町 #永福町 #中野富士見町 #駅近 #筋トレ #ダイエット #パーソナルトレーニング #ボディメイク #健康 #美尻 #体験トレーニング #FITFOODHOME #@fitfood_home
Category
New Article
Archive
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年4月