クエン酸回路はTCA回路（TCAサイクル、トリカルボン酸サイクル）、Krebs（クレブス）回路とも呼ばれる。TCAサイクルにはC2（二元素炭素）ユニットのアセチルCoAが取り込まれ、一回展で2分子のCO2を放出して消失。

クエン酸回路は、炭素燃料から高エネルギー電子を取り出すことが主な役割である。クエン酸回路はミトコンドリア内で進行する代謝系だが、アセチルCoAは細胞質内においては、脂肪新生（脂肪酸の合成）に働く。

１）アセチルCoAの供給

クエン酸回路へのアセチルCoAの供給は、おもに3経路あるとされている。

①ピルビン酸からアセチルCoAに代謝される経路

解糖系の産物であるピルビン酸が、ピルビン酸脱水補酵素の触媒を受けて、アセチルCoAへと代謝される。ちなみに、ピルビン酸脱水補酵素は3種の代謝を触媒する酵素が結合した三量体のことである。

このうちのひとつであるピルビン酸デカルボキシラーゼの補酵素はチアミン二リン酸（TPP）なのだが、ビタミンB1が欠乏すると、その反応の進行が妨げられてしまう。

②脂肪酸のβ酸化

中性脂肪の加水分解で得られた脂肪酸がアシルCoAとなり、カルニチンの助けを受けてミトコンドリア内へ進む。そこでカルボキシ末端から2つめの炭素（※β炭素）を炭素鎖から切り離す反応を受けて、アセチルCoAが切り出される

③アミノ酸からの供給

リシン、ロイシン、イソロイシンといった※ケト原性アミノ酸から供給される

※β炭素

官能基と隣接した1番目の炭素をα炭素、その隣の2番目の炭素をβ炭素と呼ぶ。官能基とは、有機化合物を同族として特徴づける原子団のことである。アルコール類の水酸基、カルボン酸のカルボキシル基などが該当する。

※ケト原性アミノ酸

脱アミノ化（アミノ基転移による場合を含む）を受けた後、炭素骨格部分が脂質代謝経路を経由して、脂肪酸やケトン体に転換されうるアミノ酸のこと。

１−１）脂質は糖質で燃焼される

アセチルCoAがクエン酸回路に入る際、オキサロ酢酸とともにクエン酸に代謝される。脂肪酸からオキサロ酢酸は生成されないので、脂肪酸からのアセチルCoAのみでは、クエン酸回路は円滑に作用しない。

オキサロ酢酸は、ピルビン酸カルボキシラーゼに触媒され、ピルビン酸から代謝されるというのがおもな供給経路である。この作用から、「脂質は糖質で燃焼される」と言われる。

一方で、自然食の摂取ではかならず※糖原性アミノ酸も供給される。たんぱく質を構成する各種アミノ酸からは、アセチルCoAに加えてさまざまなクエン酸回路の要因となる物質が供給される。

・オキサロ酢酸＝アスパラギン、アスパラギン酸の炭素骨格から生成

・フマル酸（オキサロ酢酸の前駆物質）＝フェニルアラニン、チロシンから供給される

たんぱく質由来のアセチルCoAがクエン酸回路に入る場合、細胞内の糖質が不足していても支障がない。

１−２）酸化的リン酸化

クエン酸回路の回転により、グルコース1分子（アセチルCoA2分子）あたり2分子のATPが作られる。また高電子エネルギーは※FADH2と※NADHとなり、※酸化的リン酸化に供給される。

1分子のアセチルCoAから生成されたFADH2とNADHからは、13分子のATP が産生される。

※糖原性アミノ酸

脱アミノ化（アミノ基転移による場合を含む）を受けた後、炭素骨格が糖新生に用いられるアミノ酸のこと。

※FADH2（フラビンアデニンジヌクレオチド）

いくつかの代謝反応に必要な酸化還元反応の補因子。

※NADH（ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド）

全ての真核生物と多くの古細菌、真正細菌で用いられる電子伝達体である。さまざまな脱水素酵素の補酵素として機能し、酸化型 および還元型 の2つの状態を取り得る。

※酸化的リン酸化

電子伝達系に共役して起こる一連のリン酸化反応を指す。細胞内で起こる呼吸に関連した現象で、高エネルギー化合物のATPを産生する回路の1つ。

２）栄養欠乏による回転障害

クエン酸回路のひとつの段階である2-オキソグルタル酸（α-ケトグルタル酸）がスクシニルCoAに代謝される反応は、2-オキソグルタル酸脱水素酵素（α-ケトグルタル酸脱水素酵素）が触媒となるのだが、TPPはこの控訴の補酵素でもある。

そのため、ビタミンB1が欠乏するとピルビン酸のアセチルCoA代謝だけでなく、クエン酸回路にも障害する。

３）物質代謝と回転障害

クエン酸回路はアセチルCoAからエネルギーを取り出す場であり、同時に糖、脂肪酸、アミノ酸の合成の出発点であり、これらの相互互換の中心とも言える。しかし、人間をはじめ動物の細胞内では、脂肪酸→糖質への変換は起こらない。

#FUJIIパーソナルジム #杉並区 #方南町 #永福町 #中野富士見町 #駅近 #筋トレ #ダイエット #パーソナルトレーニング #ボディメイク #健康 #美尻 #体験トレーニング #FITFOODHOME #@fitfood_home