2021.07.17ブログ
第44回 たんぱく質(アミノ酸)代謝
1)たんぱく質とは
生体の主要構成成分のひとつであり、20種類のアミノ酸がペプチド結合により重合したポリペプチドを基本構造とする。ヒトの体重の約15%はたんぱく質が占め、酵素反応や筋収縮、物質輸送、防御反応などあらゆる化学反応などに関与する。
また、たんぱく質は4 kcal/gの燃焼値をもち、エネルギー源ともなる。食事中のたんぱく質は、その構成アミノ酸によって栄養価が異なる。
必須アミノ酸がバランスよく含まれる動物性食品は栄養価が高い。たんぱく質は加熱・凍結・酸・アルカリ・撹拌などにより変性し、たんぱく質の機能や性質に影響を及ぼす。
2)たんぱく質(アミノ酸)の消化・吸収
食事として摂取したたんぱく質は、その構成要素であるアミノ酸、あるいはアミノ酸が2~3個結合しているだけの低分子物質(ジペプチド,トリペプチド)になってはじめて吸収される。
口腔内で機械的にかみ砕かれたたんぱく質が、最初に化学変化をする場所は胃である。たんぱく質は胃で、塩酸やたんぱく質分解酵素(消化酵素)のペプシンによって高次構造が破壊される。たんぱく質のペプチド結合が切断され、分子量の小さいプロテオース、さらにもっと低分子量のペプトンとよばれるポリペプチドまで加水分解される。
胃の壁細胞から分泌されたプロ酵素であるペプシノーゲンが、胃内の塩酸によって活性化されてペプシンとなり、高次構造を失ったたんぱく質は、アミノ酸が数十個以上結合したポリペプチドに分解される。
ポリペプチドは幽門を通り、十二指腸に移行。膵臓から十二指腸乳頭(ファーター乳頭)を経由して分泌されたたんぱく質分解酵素のプロ酵素・トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲンが十二指腸内で活性化されたトリプシン、キモトリプシンにより、アミノ酸数10個以下のオリゴペプチドにまで短縮され、小腸上皮内の刷子緑膜(微絨毛膜)に取り込まれる。
刷子緑膜上で、髄液中のカルボキシペプターゼ、小腸液中のアミノペプチダーゼ、ジペプチターゼによって、アミノ酸が3個のトリペプチド、2個のジペプチド、アミノ酸単体にまで分解される。刷子緑膜上での消化は「膜消化」と呼ばれ、以前の消化管内での「管腔内消化」と区別される。
小腸からはアミノ酸、ジペプチド、トリペプチドはそれぞれの輸送担体(トランスポーター)を経て、吸収上皮細胞内に取り込まれる。なお、ジペプチド、トリペプチドはPEPT1というアミノ酸単体とは別のトランスポーターから吸収される。
不要になったたんぱく質は、最房内の処理機構によってアミノ酸に分解。一部はアミノ酸プールに入り再利用され、一部はアンモニアから尿素になって体外へ排出される。
3)たんぱく質(アミノ酸)代謝
食事により取り込まれたたんぱく質は、アミノ酸に分解・消化されて門脈を経由。肝臓に運搬されて必要なたんぱく質に再合成される。
一方で、分解されたアミノ酸の一部は遊離アミノ酸として体内に存在する。遊離アミノ酸は体内で一定量が蓄えられ、この蓄えを「アミノ酸プール」と呼ぶ。アミノ酸プールは血液や各組織に存在する、遊離アミノ酸の総称でもある。遊離アミノ酸は血液中・最房内をめぐり、必要に応じて細胞のなかやプールを行き来していると考えられる。
肝臓におけるたんぱく質の合成量は約200g/日、分解も約200g/日。摂取量は約60/日で、燃焼・排出される量も約60g/日とそれぞれ平衡状態にある。体内では、経口摂取されるアミノ酸よりも遥かに多くの量が、たんぱく質行政に使われていることが分かる。
アミノ酸はたんぱく質合成に利用されるが、たんぱく質分解によって得られたアミノ酸が体たんぱく質の合成に必要ない場合や、必要量以上のアミノ酸が摂取された場合、また飢餓や糖尿病など糖質がエネルギー源として利用できない場合は、エネルギー源として使われる。
糖質や脂質は、完全に酸化すると水と二酸化炭素になる。同様に、たんぱく質(アミノ酸)中の炭素はエネルギー源として酸化され、二酸化炭素となる。
一方で、アミノ酸のアミノ基は有毒なアンモニア(NH3)になってしまう。そのため、エネルギーを消費しながら肝臓でアンモニアを尿素に変換し無毒化するしくみが備わっている。
アミノ酸の窒素成分の代謝において、各アミノ酸は,まず2-オキソグルタル酸にアミノ基を転移してグルタミン酸となる。この反応は「アミノ基転移反応」と呼ばれる。
アミノ基転移反応は、肝機能検査として臨床診断でも使用されているアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)とアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が代表的な酵素として働く。
グルタミン酸に転移したアミノ基は、酸化的脱アミノ反応によってアンモニアとして遊離。アンモニアは肝臓の尿素回路で尿素に変換され、最終的に尿中に排泄される。
アミノ酸からアミノ基が外れた炭素骨格は、糖代謝経路に合流する。合流場所はピルビン酸、アセチルCoA、クエン酸回路の3カ所で、ピルビン酸に合流するアラニンとセリンや、クエン酸回路に入るグルタミン酸とアスパラギン酸などのアミノ酸はグルコースをつくり出す(糖新生)ため、「糖原性アミノ酸」と呼ばれる。
ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシンはアセチルCoAから脂肪酸やケトン体になるため、「ケト原性アミノ酸」という。ロイシンとリジン以外のケト原性アミノ酸は、糖原性アミノ酸でもある。
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