2021.07.24ブログ
第45回 脂質代謝
1)脂質とは
脂質は重要なエネルギー補給源および貯蔵体として、1 g当たり9kcalと糖質やたんぱく質に比べエネルギー密度が高い。さらに脂質は、必須脂肪酸の供給源、脂溶性ビタミンの補給源、細胞膜の構成成分、生理活性物質など、多様な栄養生理機能を持つ。
脂質はベンゼン、エーテル、クロロホルムなど有機溶媒に対して可溶であり、水には不溶(または難溶性)を示す物質の総称である。脂質が極性をもたない長い鎖状、環状の炭水化物によって構成されているため、極性分子の溶媒である水とはなじみにくく疎水性を示す。
脂質を化学構造から大別すると、単純脂質(simple lipid)、複合脂質(complex lipid)、および誘導脂質(derived lipid)に分類できる。これら脂質の基本的な構成要素は脂肪酸である。
1−1)脂肪酸の種類
脂質は血液中や脂肪組織内で中性脂肪(グリセロールに3つの脂肪酸がくっついたもの)として存在。脂肪酸とは、炭素が直鎖状に連なったもので、炭素の数が6個以下のものを「短鎖脂肪酸」、8〜12個のものを「長鎖脂肪酸」という。
炭素同士の結合でも呼び名は区別され、二重結合を含むものは「不飽和脂肪酸」、含まないものは「飽和脂肪酸」という。不飽和脂肪酸は食物油や魚油に多く含まれ、飽和脂肪酸は動物性脂肪に多く含まれる。
一部の例外を除き、基本的に常温化において魚油は液体で、魚油内の不飽和脂肪酸は融点が低い。肉に含まれる飽和脂肪酸は融点が高く、常温では固体となる。
1−2)脂質の役割
脂質は体内のエネルギー源となる油脂、細胞膜の構成成分となるリン脂質、ステロイドホルモンの原料となるコレステロール、生体機能調節に関与する脂溶性ビタミンなどに分類される。
これ以外にも、プロスタグランジン、ロイコトリエンといったシグナル伝達物質の前駆物質のひとつにもなる。
2)脂質の消化と吸収
食物が消化管に入ると、膵臓から消化酵素であるリパーゼが分泌。リパーゼは中性脂肪をモノグリセリド(グリセロールと1つの脂肪酸が結合したもの)や、脂肪酸、グリセロールに加水分解する。
長鎖脂肪酸とモノグリセリドは、胆嚢から分泌される胆汁によってミセルという親水性の非常に小さい分子に取り込まれ(これを「ミセル化」と呼ぶ)、小腸上皮細胞に吸収される。小腸上皮細胞で再び中性脂肪に合成された後、リン脂質やコレステロールの集合体である「カイロミクロン」を形成し、リンパ管を経て血管内へ移行。
一方、中鎖脂肪酸やグリセロールは、ここまでの吸収過程と異なり、ミセル化されずそのままのかたちで小腸から吸収され、門脈を経て血液循環に入る。そのため長鎖脂肪酸よりも、速やかに吸収・代謝される。
3)脂質の代謝
血中に入った中性脂肪は、末梢組織のリポたんぱくリパーゼ(LPL)によって、脂肪酸とグリセロールに分解され、エネルギーとして利用される。脂肪酸は分解されただけの状態だと、細胞質内でエネルギーとして利用できない。分解された脂肪酸が、細胞質内のカルニチンと結合し、ミトコンドリア内に移動する必要があるのである。
ミトコンドリア内において、脂肪酸からは炭素2分子が切り離されアセチルCoAを生成する(これを「β酸化」と呼ぶ)。生成されたアセチルCoAはクエン酸カイロ(TCAサイクル)に入ることとなる。ちなみに、β酸化を経て生成された2つのアセチルCoAからは、36個のATPが作り出せる。
脂肪酸からアセチルCoAをいくつ生成できるかは、脂肪酸の長さ(炭素数)により異なる。1つの中性脂肪からは非常に多くのATPが生成できるため、脂質は糖質、たんぱく質と比べて高エネルギー(高カロリー)なのである。
#FUJIIパーソナルジム #杉並区 #方南町 #永福町 #中野富士見町 #駅近 #筋トレ #ダイエット #パーソナルトレーニング #ボディメイク #健康 #美尻 #体験トレーニング #FITFOODHOME #@fitfood_home
Category
New Article
Archive
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年4月