2021.12.11ブログ
第63回 牡蠣の栄養学
魚介類や海藻類は、栄養素が豊富な食材として広く知られる。健康的な食事の指標のひとつである「まごわやさしい」にも、これらが含まれる。そんな海産物の食材のなかでも、ひときわ栄養価が高いことで知られているのが「牡蠣」だ。
通称「海のミルク」と呼ばれる牡蠣は、全食品で最も亜鉛を多く含んでおり、その量は圧倒的だ(表は厚生労働省より引用)。亜鉛を多く含む以外にも、牡蠣は栄養学的観点で非常に優れた食材でもある。
%DV = 1日摂取量。FDAは、消費者が食事全体における食物およびサプリメントの栄養素含有量を比較するのに役立つようDVを設定した。最新の栄養成分表示および表2に記載の亜鉛に対するDVは成人および4歳以上の小児で420mgである[15]。FDAは、製造業者に2020年1月より最新の栄養成分表示 を使用するよう義務付けているが、年間売上1千万ドル以下の業者に関しては、2021年1月までは亜鉛DV15mgの古い表示の継続使用を許可している。FDAは、亜鉛を食品に添加しない限り、亜鉛の表示を義務付けていない。DVが20%以上となる食物は高栄養源と考えられるが、DVのパーセンテージが低い食物でも健康的な食事をとることができる。
(1)牡蠣の栄養
牡蠣の持つ栄養素栄養学的に語るうえで、亜鉛を外すことはできない。前項にて紹介したので、ここでは亜鉛の効果・効能について簡潔に紹介したい。
1)亜鉛の効果・効能
亜鉛は体内の約3,000種類以上のたんぱく質、そして1,000種類以上の酵素に関与しているとされる。さらに、120種以上の酵素の分子構造の構成にも関与する。酵素は食物の消化・吸収、ATP合成に働くため、亜鉛は身体維持活動で欠かすことのできない栄養素と言えるだろう。
また、亜鉛は通称「セックスミネラル」と呼ばれるほど、生殖機能(特に男性器の精子)への関連が深い。そのほか、免疫機能の正常化、亜鉛はインシュリン感受性の改善など、亜鉛の健康への影響は計り知れない。現在、世界の人口の約1/3が亜鉛欠乏に悩まされていると言われている。
2)その他の栄養素
牡蠣の含有する栄養素は、亜鉛にとどまらない。同じく栄養価の高いウナギと、100gあたりの栄養素の量を比較すると、これだけの差がある(「日本食品標準成分表 2010」より数値を引用)
①亜鉛
・牡蠣 13.2mg
・ウナギ 1.9mg
②鉄分
・牡蠣 1.9mg
・ウナギ 1mg
鉄はたんぱく質と結合し、ヘモグロビンとして全身へ酸素を運搬する。欠乏すると、動悸、めまい、肌トラブル、食欲不振、いらだち、抑うつ感にもつながる。人体は鉄、亜鉛などのミネラルがバランスよく存在することで、健康を維持できる。単一のミネラルに偏って摂取しても効果は薄いため、亜鉛、鉄分をどちらも豊富に含む牡蠣は、理想的な食材と言えるだろう。
③ビタミンB12
・牡蠣 28.1㎍
・ウナギ 2.7㎍
ビタミンB12(コバラミン)は葉酸とともに、赤血球の形成と成熟、および細胞の遺伝物質であるDNA(デオキシリボ核酸)の合成に必要である。神経が正常に機能するためにも必要で、ビタミンB12が欠乏すると、貧血、手足の感覚異常を覚える。
④カロリー
・牡蠣 60kcal
・ウナギ 331kcal
意外だが、牡蠣はカロリーが栄養価に対して低いと言える(牡蠣フライなど調理の仕方には注意が必要)
(2)牡蠣の栄養価の秘密
牡蠣に限らず、貝類は海水を多量に吸い込む習性を持ち、海水のミネラルバランスを保つ存在とも言われている。海水の過剰な栄養素を吸い込むことで、プランクトンの異常発生による、ヘドロの増加や海水内の酸素減少といったトラブルを防いでいる。貝類の個体差にもよるが、1日あたりの海水の循環量は、1日約300~400mlとも言われるほど。
これだけの量の海水を吸い込むということは、当然海水内の有害物質も取り込んでしまう。その浄化の際に活性化するのが亜鉛なのではないかと考えられている。デトックスたんぱく質として知られる「メタロチオネイン」は、体内に侵入した金属などの毒性を、発現しにくくする効果がある。メタロチオネインの分子構造には亜鉛が必要である。
牡蠣はその生態上、汽水領域(海と川の境界線付近)に多く存在する。汽水領域では、海水、淡水の塩分濃度の切り替えが頻繁に起こり、浸透圧も変動しやすい。環境の変化に耐える過程で、コレステロールを低下させる役目があるタウリンを多く生成すると言われている。
(3)牡蠣の選び方
牡蠣には「生食用」「加熱用」と2種類で販売されていることが多い。生食用のほうが鮮度が高いと思われがちだが、この2種類は棲息していた海域によって分けられている。加熱用の牡蠣は沿岸=淡水に近い領域に棲息していたものである。
川魚は海のものと比較して、臭みがあったりウイルスによる体調不良(いわゆる「あたる」)に注意が必要と言われたりする。沿岸部の牡蠣は山、河川の栄養分、プランクトンを多く含む一方で、ウイルスも多いため加熱調理が必須となる。一方で、加熱用は栄養が豊富で、濃厚でクリーミーな味わいを楽しめるとも言われる(決して養殖よりも優れているというわけではない)
牡蠣の加熱の目安として、食品の中心温度が85℃以上の状態で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされている。また牡蠣の調理で使用した調理器具(まな板、皿、はし等)は、必ず洗浄消毒(熱湯消毒)すること。
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