2021.12.18ブログ
第64回 マグネシウムの重要性(1)概要と研究
マグネシウムは600種類以上の酵素反応と関与している。酵素反応の内容はエネルギー代謝、たんぱく質合成など実に多種多様だ。生体内のミネラル量を比較しても、鉄が約5g、亜鉛が約2gに対して、マグネシウムは約25gと5~10倍の開きがあり、いかに体内においてマグネシウムが重要な存在であるかが分かる。
(1)日本人は慢性的なマグネシウム不足
成人に推奨されるマグネシウムの推奨量は、310mg~420mg/日の範囲で指定されている。しかし、一部文献では日本人が平均して摂取しているマグネシウム量は、わずか250mg/日にとどまると言われている。現代日本において、マグネシウム欠乏とされる人は非常に多いことの裏付けでもある。(表は厚労省より引用、2021年8月時点)
この要因の一つとして、日本の土壌はもともと欧米と比較して、ミネラルが少ないことが挙げられる。加えて、農作物のミネラル量が年々減少しているという報告もある。文部科学省「日本食品成分表」の初版、2015年版を見ると、1950年と2015年の比較でほうれん草の鉄分は85%も減少していることが確認できる。問題の特定は難しいが、その一端として農薬使用や酸性雨などの問題が指摘されている。
国立がん研究センターは、15年間をかけて45~74歳の男女8.5万人を調査。これによると、マグネシウム摂取量が多いグループほど、脳卒中、心筋梗塞等のリスクが30~40%低いことが認められた。マグネシウムを多く含む食材としては、海藻類(葉緑素=クロロフィルのなかに多くのマグネシウムが含まれている)、豆類、玄米などが挙げられる。
(2)代謝との関連
1)解糖系、ミトコンドリア系両方に必須
リン酸化とは、各種の有機化合物、なかでも特にタンパク質にリン酸基を付加させる化学反応のことである。生体内に存在するたんぱく質の構造を変化させ、体内での機能を調節する役割がある。リン酸化のひとつの作用として、酵素を非活性な状態から活性化させるというものがある。
通常、酵素が活性化する際は体内のエネルギー通貨的存在であるATP(アデノシン3リン酸)がADP(アデノシン2リン酸)とPi(リン酸)に分かれ、Piが酵素活性化に使用される。この反応に必要となる補因子がマグネシウムなのである。
エネルギー代謝の過程においても、解糖系、ミトコンドリア系で働く10種類以上の酵素がマグネシウムを必要とする。例えば、ブドウ糖→ピルビン酸へと変わる反応、ピルビン酸がミトコンドリアに運ばれる過程と両方で、マグネシウムが必要だ。
2)糖尿病、低血糖にも効果がある
フラミンガム研究(Framingham study)とは、1984年から心血管疾患の前兆となる因子および自然歴を明らかにするために、アメリカ合衆国 マサチューセッツ州にあるフラミンガム在住の男女5,209人を対象に開始された大規模研究である。 登録時の年齢は30~62歳、後に対象者の子と配偶者も含むようになっている。
この研究において、マグネシウム摂取量が多い人は、空腹時のインシュリン濃度が低いことが判明している。この研究結果は、先ほどの糖代謝とも関連があるといえる。糖尿病患者等は、インシュリン濃度が高い傾向にある。彼らに見られるのは、常に血糖値が高い状態、あるいはインシュリン抵抗性が高いるため、インシュリンが過剰分泌されているという状態だ。逆に、インシュリンの過剰分泌で低血糖に陥っている人もいる。
インシュリン濃度が低いということは、マグネシウムが糖尿病および低血糖のどちらに対しても、予防&改善ができることを示唆する結果でもある。実際に、マグネシウム欠乏によって発症リスクが高まる疾患の一つに、糖尿病がある。糖尿病予備軍である人は、食生活で低糖質食を意識するだけでなく、マグネシウムの積極的摂取も必要と言える(白米を玄米に変えるなど)。
(3)骨密度との関連
マグネシウムは骨・歯に多く存在する(全体量の約60~65%)。強い骨を作るにはカルシウムを摂取するというのが通例の認識だが、カルシウムと骨密度には相関関係が見られないという研究報告が実は多い。正確には「カルシウム単体の摂取量が、骨密度上昇に働くとは限らない」という研究が多い。
乳製品消費量が世界的に多い北欧各国(スウェーデン、デンマークなど)の骨粗鬆症患者を診ると、他国と比べひときわ少ないという報告もない。むしろ骨粗鬆症患者の多い国の特徴として、乳製品摂取量が多い人と言われているほどだ。
それに対して、様々な研究で「マグネシウムが骨密度を上昇させる」と報告されている。骨や歯に多く含まれるのは当然カルシウムだが、マグミクス等のミネラルとの緻密なバランスで成立している。骨を強くしたいのであれば、日常的に摂取量が不足しているわけではないカルシウムよりも、一般的に欠乏しているとされるマグネシウムを摂るほうが、骨密度強化には有効に働くと考えられる。
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