2021.12.25ブログ
第65回 マグネシウムの重要性(2)不足の原因
マグネシウムは600種類以上の酵素反応と関与している。酵素反応の内容はエネルギー代謝、たんぱく質合成など実に多種多様だ。生体内のミネラル量を比較しても、鉄が約5g、亜鉛が約2gに対して、マグネシウムは約25と5~10倍の開きがあり、いかに体内においてマグネシウムが重要な存在であるかが分かる。
日本人の多くが、このマグネシウム欠乏に悩まされている。その原因として最たるものが、「マグネシウムは排出されやすい」という事実だ。
マグネシウムははエネルギーを産生・貯蔵・利用するミトコンドリアにとって、欠かせないミネラルの一つである。体内でいうと、脳、心臓、筋で特に必要とされる。
組織内のマグネシウム量
骨:約3,000㎍
脳:約390㎍
腎臓:約310㎍
筋:約190㎍
心臓:約180㎍
腸内環境を改善するため、腸の蠕動運動を促進するためにマグネシウムを多く含む硬水を多く飲むことを勧めるなど、様々な場面でマグネシウムの摂取を推奨する健康法が見られる。最近では、筋の疼痛・緊張緩和のために、皮膚へすりこむタイプのマグネシウム含有製品がある。
マグネシウムが排出されやすくなる要因は、次のものが挙げられる。
(1)高脂肪・高たんぱく食
日本において行われた研究で、毎日の朝食にバター60gよ卵5個を摂取する生活を続けさせたところ、実験開始8日目で尿中のマグネシウム、カルシウムの量が増加。つまり両ミネラルの排出量が増加したと報告された。
本研究は、見ての通りかなり極端な食事内容を実施している。ここで理解しておきたいのは、「これだけ食事内容が偏ると、マグネシウムの排出量が増加する」という研究結果ではない。糖質制限+高脂肪・高たんぱく食といった偏った栄養バランスでの食生活を長期的に継続している人は、尿によるマグネシウム排出量が増加する可能性が高くなるという点である。
研究ではカルシウムの排出量も増加していることから、骨粗鬆症のリスクも高まることが考えられる。
実は、精製糖質を多く摂取するグループでも、マグネシウムの体外への排出量が増えたという結果が出ている。いずれの食事群の結果からも、極端な栄養バランスによる食生活の継続は、体内のミネラルバランスを(摂取だけでなく排出という観点でも)崩してしまう要因になりかねないということが分かる。
(2)ストレス
ここでいうストレスは、仕事や対人関係による精神的ストレスに限定されていない。スポーツやトレーニングに伴う身体的ストレス、寒さ・暑さによる環境的なストレス、さらにはスマートフォンから目への光刺激も、眼・脳へのストレスとして蓄積されている。
現代はストレス社会とよく表現されるが、実際に現代人はストレスにさらされる機会が非常に多い。スペインで行われたある研究では、ストレス・不安を抱えると尿中マグネシウム排出量が増加するという結果が出ている。
ストレスを感じると、体内では神経伝達物質のアドレナリンが分泌される。このアドレナリンが機能するため、体内ではマグネシウムを断続的に消費すると言われている。実際に基礎研究で、アドレナリンを静脈注射するとカルシウム、マグネシウムの量が低下することが判明している。
トレーニングにおいても、交感神経優位となりアドレナリン分泌量も増えていく。アスリートやトレーニーのマグネシウムの必要量が、一般人よりも多く設定されているのがこれが背景にある。仕事、対人関係でのストレスを多く抱える人も同様だ。
マグネシウム欠乏症として、うつなど精神疾患との関連も指摘されている。人間関係の整理や対処など、根本となるストレスの軽減・除去も必要だが、栄養学的観点で今すぐできることとして、精神疾患の改善のひとつとしてマグネシウムを積極的に摂取することを視野に入れても良いだろう。
1)ストレスホルモンについて
ストレスが加わると、次のホルモンが体内で多く分泌される。
・コルチゾール
・ノルアドレナリン
・アドレナリン
・ドーパミン
これらは一般的に「ストレスホルモン」と呼ばれるが、正確には「抗ストレスホルモン」とも呼べる存在で、ストレスに対抗するために分泌されているという認識が正しい。先述の通り、これらストレスホルモンがストレスの影響を抑えるという作用を発揮する際に、マグネシウムを消費する(細胞内からマグネシウムイオンが細胞外へと取り出され、ストレスホルモンに利用される)
ストレスホルモンが分泌されなければ、ストレスの悪影響をより多く受けることになる。しかし、過剰分泌されることは当然身体にいい影響がない。コルチゾールが長期的に分泌され続けると、脳内の海馬の機能が低下し、思考能力・認知能力・記憶力が衰えてしまう。この状態が悪化の一途をたどると、認知症やうつにつながるとも言われている。
(3)マグネシウム排出を促す他の要素
このほかにも、マグネシウムの排出量が増えてしまう要因がいくつか存在する(マグネシウムに限らず、ミネラルの排出量が増えてしまう要因とも重なる)。日々の生活習慣において、下記に該当する習慣があるか確認してみてほしい。
①カフェイン
カフェインレスコーヒーとカフェインとを飲んだ場合、カフェイン濃度が高いグループの方が、尿からのマグネシウム排出量が増加したという研究がある。
②オメガ6(トウモロコシ油等)
オメガ3(魚油)と比べ、マグネシウム排出が増えやすい
③飽和脂肪酸
④アルコール
⑤低血糖
⑥慢性的な下痢
⑦消化不良
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