2022.01.22ブログ
第68回 アスタキサンチン(1)抗酸化力の秘密
アスタキサンチンは天然成分・カロテノイドの一種で、そのうち赤色の色素である(赤身肉の色味は鉄分が影響しているものであり、必ずしも赤い食物=アスタキサンチンが豊富というわけではない)。非常に優れた抗酸化作用、抗免疫作用で知られているアスタキサンチンは、他の栄養素と比較しても群を抜いた効果があることが分かっている。
(1)アスタキサンチンを多く含む食材
アスタキサンチンを多く含む食材として、よく知られているのは鮭、タコ、カニ、オキアミ等だ。タコはゆでると全体に赤みを帯びるが、通常アスタキサンチンはたんぱく質と結合した状態で、それほど赤身を帯びていない。これが加熱処理によって、たんぱく質とアスタキサンチンが分離され、色素として顕著に表れる。
見てもらうと分かる通り、アスタキサンチンを多く含む食材は、基本的に魚介類が挙げられる。その背景として、魚介類は太陽からの紫外線による酸化を、アスタキサンチンを蓄えることで防いでいるためである。特に太陽の光が差し込みやすい、海深の浅いところに棲息する魚介類は、アスタキサンチンを多く含む傾向が高い。
ちなみに、見た目が赤い(ピンク色に近い)フラミンゴの見た目も、アスタキサンチンの影響とされている。なぜ多く含むかに関しては、魚介類が主食である、生息域の関係上紫外線を浴びやすいためなど諸説ある。
1)アスタキサンチンにフォーカスが当たるようになった背景
アスタキサンチンが注目されるようになった背景に、養殖マダイの存在がある。マダイを養殖する際、アスタキサンチンを多く含む食材をエサとして与えていると、産卵の頻度・卵の孵化数や孵化率によい影響があることが分かったのだ。
この効果は、他のアスタキサンチンと同様に抗酸化作用をもたらす栄養素よりも、高い成果が得られたという。ここから、徐々にアスタキサンチンに関する研究が進められ、現在日本がもっともアスタキサンチンの研究が進んでいる国のひとつに数えられている。
(2)圧倒的な一重項酸素の除去力
アスタキサンチンの優れた抗酸化力を端的に示すのが、他を圧倒する「一重項酸素の除去力」である。一重項酸素とは体内で生まれる活性酸素の一種で、紫外線を浴びるなどすると体内でも生成されることがある。
一重項酸素を除去する栄養素としては、ビタミンC、ビタミンE、カテキン、コエンザイムQ10、αリポ酸が挙げられる。これらとアスタキサンチンの抗酸化力を比較した研究では、次のような驚くべき数字が示された。
アスタキサンチンの抗酸化力の比較(一重項酸素の除去力に限定)
・ビタミンCの約600倍
・ビタミンEの約110倍
・カテキンの約560倍
・コエンザイムQ10の約800倍
・αリポ酸の約75倍
(3)ガンの抑制効果
抗酸化力は、端的に言えば老いを遅らせる力ともいえる。紫外線等によるしわ・シミ・そばかすといった肌の衰えを防ぐといった効果が世間では紹介されているが、アスタキサンチンの抗酸化力を示す非常に大きな効果として紹介したいのが「ガンを抑制する」というものである。
ガン細胞はストレスなどが要因で転移が加速するとされているが、アスタキサンチンの摂取量が多いグループとそうでないグループを比較した実験では、そのリスクが約1/3に抑制されたという研究も報告されている。複数の実験で(数字上の差異はあれど)その効果が証明されている。
(4)優れた抗酸化力の秘密
アスタキサンチンで特筆すべきポイントは、その構造だ。アスタキサンチンは化学式の構造上、2つの水酸基(OH)と2つのカルボニル基を持つ。しかも、これらを構造上対角線上に一組ずつ持っているということで、たんぱく質と非常に結合しやすい。
さらに、アスタキサンチンは13個の共役二重結合を持っている。この構造は赤色の「深み」に関わっており、色素の力が非常に強く、それがそのまま抗酸化力の高さに反映されている。
アスタキサンチンは、構造式のほぼすべてが上で紹介した特徴で完成しているという、非常に珍しい存在でもある。そのため、身体のどの部位に対しても、どんな酸化物質に対しても安定して高い抗酸化力を発揮できると考えられている。
ちなみに、抗酸化力作用のある物質としてよく知られているポリフェノールは、肝臓に到達しにくく血液脳関門(血液と脳の組織液との間の物質交換を制限する機構)を通過できないと言われている。アスタキサンチンは赤血球と結びつき、肝臓へ到達することも血液脳関門を通過することもできる。こうした点でも、アスタキサンチンは優れた抗酸化物質であると言える。
1)有酸素運動実践者とアスタキサンチンの関係
アスタキサンチンはミトコンドリア膜に蓄積されるが、ミトコンドリアはエネルギーを生成する過程で酸素を消費する。つまり、ミトコンドリアが働くほど「活性酸素」が発生するのである。有酸度運動を行っており痩せているのに、顔を見ると年齢以上に肌が荒れている人を見かけることがあるが、その背景のひとつとして活性酸素の存在を否定できない。
アスタキサンチンはそんな活性酸素の除去に加え、ミトコンドリアの機能低下を防ぐ役割もあるという報告もある。有酸素運動や激しい運動が趣味の人に対しては、アスタキサンチンの積極的な摂取をアドバイスすることは有効と言えるだろう。
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