2022.02.12ブログ
第71回 IOCが効果を認めたサプリメント5選
トレーニング、ヘルスケア、美容。身体づくりに関する事柄で、栄養摂取は欠かせないポイントだ。それに加えて、食事による栄養摂取量の不足を補うため、あるいはトレーニング効果を高めるためなど、様々な用途でサプリメントが有効活用されている。
こうした実情に対して、常に話題となるのが「このサプリメントは、果たして効果があるのか」というものだ。こうしたサプリメントの効果効能に関する基礎知識を紹介しつつ、IOC(国際オリンピック委員会)が認めた5種類のサプリメントについて紹介していきたい。
また、今回紹介するサプリメント以外にも、サプリメントは日々研究が進み内容がアップデートされている。今回の話を基礎としつつ、常に最新情報にアンテナを張っておきたい。
(1)「サプリメント」の基礎知識
「サプリメント」という言葉について、実は日本・世界での共通の定義は存在しない。また、含有成分や規格等に関しての、法律上の決まりもないのが現状だ。ちなみに、厚生労働省はサプリメントを「健康食品に該当していて健康を増進するもの」としている。
2019年に行われた国民生活基礎調査で、サプリメントの使用率を調査したところ、国民の3割が使用していることが判明した。この使用率は、年齢が上がるほど高まるとも報告されている。
アスリートに関しては、2012年以降から一貫して使用率が80%以上の状態にあり、スポーツ現場とサプリメントが密接な関係にあることがよく分かる。また、サプリメントの情報を得るとき、どんな職種を情報源とするか調査した研究によると、実に26%がトレーナーからだった。
(1)サプリメントの使用目的
基本的に、サプリメントの使用目的は2つに絞られる。ひとつは食事の不足を補うため。もうひとつは競技力向上だ。
1)食事の不足を補う
よく飲まれているサプリメントとしては、ビタミンD、カルシウム、鉄などがある。あくまで食事での摂取を基準に、それでも難しいものをサプリメントで補うという考え方が重要だ。
ここで重要なのが、海外製品は基準量よりも多い成分が含まれているケースがあるという点である。過剰摂取によって体内に蓄積され、かえって健康を害することもある。
2)競技力の向上
競技力向上を目的としたサプリメントは、エルゴジェニックエイドとも呼ばれる。BCAA、HMB、グルタミンなどが該当する。
(2)サプリメントを選ぶうえでの注意点
サプリメントを摂取したり推奨したりするうえで、サプリメントの持つ共通の特徴を知っておくべきだろう。特に注目すべきは、メリットではなく「デメリット」だ。
1)食品と比べて成分の濃度が高く、限定的である
たんぱく質が豊富な食材のひとつである卵だが、卵自体はたんぱく質のみを含んでいるわけではなく、ビタミンC以外のほぼすべての栄養素を含むと言われている。人工的に作られたサプリメントの場合、当然メーカーが配合した栄養素しか含まない。これが「限定的である」という意味だ。
さらに言うと、成分の濃度が高いことはデメリットにつながることもある。過剰摂取や基礎疾患によって、健康被害につながる危険性を秘めているからだ。
2)副作用の表記義務がない
サプリメントとは、医薬品を除いた健康食品に該当する。つまり、医薬品のように副作用の可能性を明記する義務がないのだ。もちろん市販されているサプリメントが、いずれも危険な副作用をもたらすわけではない。一方で、上記のように特定の栄養素の過剰摂取における健康被害など、サプリメントに明記されているわけではないということだ。
3)ドーピング
アスリートにとって、絶対に回避しなくてはいけないのが「ドーピング問題」だろう。何気なく摂取したサプリメントに、禁止薬物が含まれていたら。試合に出場することはできないし、もしかすると重大なペナルティを受けてしまうかもしれない。
自身でスポーツをしている、あるいはクライアントにプロ・アマ問わずアスリートがいるトレーナーは、禁止薬物を使用していない第三者のマークがあるかサプリメントを基本的に勧めることが重要だ。加えて、商品のロット番号を追跡できるものであれば、より安全に禁止薬物を回避することができる。
4)どのメーカーも作れる
サプリメントは医薬品ではなく、乱暴に言えばどんなメーカーも、各事業者の責任の下で製造販売できる。そのため、市販のものは品質がかなりバラつくのが現状だ。サプリメントの製造メーカーのHPを確認し、内容量がどこにも記載されていないメーカーや、問い合わせに返答がないメーカーはあまり信用できないと言えるだろう。
(3)IOCが効果を認めた5種類のサプリメント
1)カフェイン
コーヒー、エナジードリンクにも含まれており、一般でもなじみのある成分。神経・骨格筋機能の向上や注意力向上、持久性能力向上、疲労感の軽減が期待されている。試合前、トレーニング前・中の興奮剤として使用するとよい。
摂取方法としては、運動の30~90分前に、3~6mg/1kgがよいとされている。長時間の運動をする場合は、1~2時間毎にさらに摂取してもよいとされる。ちなみに、ドリップコーヒーの場合は250mlで約110mg、RedBullの場合は1本250mlで80mg、Monsterの場合は1本355mlあたり142mgとなっている。
9mg/kg以上の摂取量は効果が見られず、逆に吐き気、不安、不眠といった副作用のリスクが高まる。まずは低用量からはじめ、上限値にならないよう調整していくこと。
2)クレアチン
トレーニーでも多く使用している。摂取することで筋肉のクレアチン貯蔵量を増加させ、瞬発系パフォーマンスを改善すると言われている。短時間で強いエネルギーが必要な競技で、使用を検討すべきサプリメントだ。この効果は、高強度トレーニングを行うトレーニーにも適している。
クレアチンを摂取する場合は、ローディング期と維持期(メンテナンス期)に分けて考える。
①ローディング期
20g前後を1日4回に分けて、7日間摂取する。ローディング期を挟むことで、クレアチンの血中濃度を高い状態で維持しやすくなる。
②維持期(メンテナンス期)
1日1回3~5gを摂取
クレアチンが体内に取り込まれる際、同時にインスリンも取り込まれる。ためたんぱく質・炭水化物(50g程度を上限に考える)と同じタイミングで摂取することで、吸収率が高まると言われている。
ちなみに、クレアチンは水分をため込みやすい。ローディング期では1~2㎏程度体重が増えるとも報告されているので、階級制のスポーツや、フィジーカー、ボディビルダーはうまくクレアチンはが抜けるタイミングを計ること。
3)硝酸塩(NO3)
硝酸塩は、体内で一酸化窒素を生成する。一酸化窒素はミトコンドリアでの呼吸孔率を増加させると言われており、血管を拡張し血流を改善することで、栄養素・酸素を全身に届けやすくすると言われている。そのため、硝酸塩は持久性スポーツに効果があると考えられている。酸素利用率を高める効果も報告されているため、持久性スポーツに限らずアスリート全般にお勧めできるだろう。
310~560mg を運動2~3時間前に摂取することが推奨されている。食品ではほうれん草、セロリ、ビートルートに多く含まれる。特に赤い株が特徴のビートルートは、硝酸塩のサプリメントのパッケージに描かれているくらい含有量が豊富なだけでなく、カリウム、べタインなども豊富なスーパーフードである。
4)重炭酸ナトリウム
酸性に傾いた体内のphを元に戻すことで、疲労回復や高強度のパフォーマンスの発揮、持久力向上が期待できる。持続時間が60秒程度続く、短時間の高強度スプリント競技のパフォーマンスアップに向くとされる。0.2~0.4g/kgを、運動60~150分前に摂取することが推奨されている。
重炭酸ナトリウムを飲むと、胃の不快感を伴う人もいる。一度通常時に飲んでおき、問題ないことを確かめたうえで大事な試合やトレーニング前に使用するようにしたい。
5)βアラニン
重炭酸ナトリウムとほぼ同じ効果が期待できる(酸性に傾いた体内のphを元に戻す。疲労回復や高強度のパフォーマンスの発揮、持久力向上)。摂取量は1日65mg/1㎏を超えないようにし、3~4時間おきに分けて摂取するのを10~12週間継続することで、その効果を発揮しやすくなると考えられている。
摂取後、手足にピリピリとした感覚を覚える人がいる。これは「βアラニンフラッシュ」と呼ばれ、健康上の問題はない。
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