2022.02.19ブログ
第72回 ポピュラーなサプリメントの効果〜症状別のおすすめサプリメント〜
サプリメントの摂取目的としては、主にトレーニング効果の増大、パフォーマンスアップ、健康維持増進等が挙げられる。その中で、特に使用頻度の高いサプリメントと、普段抱えている健康不安に効果的とされるサプリメントを紹介していきたい。
(1)使用頻度の高いサプリメント
1)BCAA、EAA
たんぱく質はアミノ酸から構成され、体内では21種類存在するとされている。そのうち、人間の体内で生成できない9種類が必須アミノ酸(EAA)である。このうち、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類をBCAAと呼ぶ。
必須アミノ酸一覧
バリン
イソロイシン
ロイシン
メチオニン
リジン(リシン)
フェニルアラニン
トリプトファン
スレオニン(トレオニン)
ヒスチジン
その他12種類は非必須アミノ酸に分類され、必須アミノ酸があれば体内で生成できる。
非必須アミノ酸一覧
アルギニン(小児では必須アミノ酸に含まれる)
グリシン
アラニン
セリン
チロシン
システイン
アスパラギン
グルタミン(ストレス等で不足がちなため、「準必須アミノ酸」とも呼ばれる)
プロリン
アスパラギン酸
グルタミン酸
サプリメントとしてのEAAは、筋タンパクの合成と分解の抑制として用いられる。また、運動中に摂取することでパフォーマンスや集中力を高めることも期待できる。
接種方法としては、運動前・運動中に飲むと効果的とされ、摂取後30分程度で、血中濃度がピークに達するとされる。2時間後には元のレベルに戻るため、長時間の運動時ではドリンクに混ぜ、少しずつ飲むという方法も推奨されている。
BCAA、EAAのどちらを摂取すべきか
含有する必須アミノ酸の数から考えると、EAAを摂取すれば問題ないと言えるだろう(BCAAも同時摂取できるため)。ただし、効果効能に関するエビデンスはBCAAの方が揃っており、かつ安価で手に入れやすい。効果が明示されていること、コストパフォーマンスが優れていることから、BCAAを選んでも十分に効果を見込めるだろう。
ロイシンの働き
ロイシンはインスリンの分泌を促進するため、インスリン刺激による筋たんぱく合成を促す効果がある。BCAA、EAA購入時は、ロイシンの含有量をチェックするといいだろう。
2)グルタミン
グルタミンは筋たんぱく合成、治癒力向上、免疫力アップ効果が期待できる。ほかにも、胃腸の機能や粘膜機能のサポート、腸粘膜の修復、抗うつ作用などの効果もあるとされている。
接種方法として推奨されているのは、運動後や就寝前である。プロテイン、BCAAと混ぜて飲むことで、筋たんぱく合成効果がさらに増進されると報告されている。クレアチンとグルタミンを一緒に摂ることで、筋肉量が増えたとの報告もあるため、飲み合わせも意識したいところだ。
グルタミン自体は、幅広い食材に含まれている(肉、魚、乳製品、大豆等)。しかし、グルタミンは熱・酸に弱い性質を持っており、ハードトレーニングや重労働等で大量に消費されてしまう。身体活動量が多い人は、意識して摂取すべきだろう。
3)HMB
HMBは、必須アミノ酸のロイシンが筋・肝臓で代謝され生成される成分である。ロイシンのおよそ5%がHMBになるとされている。日本で販売開始されたのは2009年と、サプリメントとしての歴史はまだ浅い。2013年に発表された国際スポーツ栄養学会のガイドラインでは、トレーニングに対するHMBの効果として、筋肥大、筋損傷の回復、加齢による筋肉減少の予防、脂肪量の減少が示されている。
厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準では、HMBを作り出すロイシンのサプリメント摂取とレジスタンス運動により、75歳以上の日本人女性の筋量・筋力・歩行速度が改善したと報告されている。
HMBは摂取後、60~120分ほどで血中濃度が最大となるため、そのタイミングでトレーニングを開始すると効果的だとされる。他のサプリメントよりも効果が発揮されるのに時間を要するため、トレーニング時間から逆算した摂取が重要だ。
4)オメガ3
DHAやEPA等、えごま等の植物に含まれているα-リノレン酸などの脂肪酸の総称。脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸の多価不飽和脂肪酸に該当し、一方のオメガ6と同様に体内で生成できない脂肪酸に該当する。オメガ3は、認知処理の改善、筋たんぱく質合成の増加、血中中性脂肪の低下、不整脈の発生防止等で効果を発揮する。
摂取方法としては、空腹時に飲むと不快感を訴えるケースが多いため、食後が望ましい。オメガ3は、日本の食事摂取基準では11000mg/日以上の摂取量が推奨されており、IOCサプリメントコンセンサスでは2000mg/日が推奨されている。
オメガ3のサプリメントを選ぶ際、含有量に注意が必要だ。含有するオメガ3の割合が、40~80%など非常にばらつきが多いため、なるべく含有率の高いもの(純度の高いもの)を選ぶようにすること。
5)ビタミンC
コラーゲン合成に介入し、皮膚や血管の老化を遅らせ、肌にハリを持たせシミを予防するとされる。美容に関心のある女性に飲まれることが多い。免疫力を高め、風邪を引きにくくし、ストレスに対する抵抗力を高めてくれる効果もあるため、体調を崩しやすい時期の摂取も良いだろう。
ビタミンCは汗から流れ出るほか、ストレス・負荷で消費される。活性酸素を多く発生する高強度のトレーニングをするスポーツ選手などにも、ニーズの高い栄養素である。
摂取方法としては食後が推奨されており、日本の食事摂取基準は100mg/日、アメリカでは1000mg/日に定められている。水溶性のビタミンであるため、過剰摂取しても尿として排出されるのでリスクは少ない。
ビタミンCサプリメントの精製方法
ビタミンCサプリは、主に2通りの方法で精製されている。一つは、食品由来のもの。もう一つは人口によるものだ。この2つのうち、どちらの方が効果があるのかという点に関しては、専門家でも意見が分かれている。近年はオーガニック志向、添加物を忌避する食習慣を選択している人もいるため、食品由来をお勧めする方がトラブルが少ないだろう。
5)マルチビタミン
複数種類のビタミンを含み、一部ではミネラルや脂肪酸を含む商品もある。複数の栄養素を一度に摂取できるため、健康・スポーツシーン両面で愛飲者が非常に多い。一方で、マルチビタミンは価格、含有成分が商品によってかなりバラバラなため、選び方に注意が必要だ。
・どの栄養素がどれくらい入っているか
・ほかに摂取しているサプリメントと栄養素が重複しないか
この2点で選ぶといいだろう。
特に他サプリメントとの栄養素の重複に関しては、例えば脂溶性ビタミンA、D、E、K等は水溶性ビタミンよりも体内に蓄積しやすい。プロテインの中にビタミンやミネラルも入っているのに、マルチビタミンによってこれらの栄養素を過剰摂取してしまい、内臓に負担をかけて健康を害するというケースが起こりうる。
マルチビタミンを飲む場合は、ミネラルや他栄養素を多く含まないプロテインにする、マルチビタミンの摂取量そのものを少なくするといった工夫が必要だ。
(2)症状別推奨のサプリメント
1)貧血
血液は、全身に酸素を運ぶという役目があり、それを担うのが赤血球内に含まれるヘモグロビンだ。ヘモグロビンは鉄とたんぱく質が結合して生成されるため、鉄は非常に重要なミネラルの一つとして知られている。貧血は、血液中のヘモグロビン量の低下により、体内が酸素不足の状態に陥っている状態を指す。
身体は酸欠を補おうとするあまり、心臓や肺がオーバーワークになりわずかな運動でも動悸・息切れが頻発するようになる。貧血の種類はいくつもあるが、女性のほとんどは鉄欠乏性貧血と言われている、特に月経時に出血量が多い人は注意が必要だ。男性の場合でも、フルマラソンなどの激しい運動をする人、消化管の出血を伴う胃潰瘍、胃がん大、腸がんなどの疾病により鉄が不足することがある。
貧血は自覚症状が現れにくいため、貧血が疑われる場合はまず病院で診察を受ける(あるいは診察を勧める)ことを勧めたい。血液検査等の結果で、鉄剤の投与が必要ないと判断された後、サプリメントを検討するといいだろう。
厚生労働省が推奨する鉄の1日の推奨量は、成人男性で7.5mg、成人女性では10.5mgである。鉄はヘム鉄・非ヘム鉄に分けられ、ヘム鉄の方が吸収率が高いが、ヘム鉄の過剰摂取は胃腸の障害を起こしやすいため注意が必要だ。購入時には、鉄の種類をチェックしておくといいだろう。
また、病気療養中の人、他の薬を服用している人は、鉄との相互作用を起こすケースがある。その結果、鉄が体に過剰に蓄積されることもあるため、事前に医師と相談する方がいいだろう。
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