2022.03.12ブログ
第75回 肝臓の機能低下の怖さ〜肝臓ケアの方法〜
体内に存在する臓器のなかでも、特に重要な役割を果たすとされているのが肝臓だ。そのケアのひとつとして、肝臓を「もむ」という手法がある。前回のnoteでも肝臓の働きについて紹介しているが、それ以外の全体の働きにも触れながら、ケアの方法について紹介していきたい。
(1)肝臓の持つ主要な働きと「疲労肝」
肝臓のもつ働きとしては、以下の3種類がよく知られているところだろう。なお、代謝に関してはこちらのnoteでも詳しく紹介している。
知っておきたい肝臓の基礎知識
私達は食事により、身体機能を維持するための栄養やエネルギーを補給している。三大栄養素である糖質・たんぱく質・脂質の代謝によってエネルギーが生じることはよく知られているが、実際にはATP(アデノシン3リン酸)が加水分解でADP(アデノシン2リン酸)へ変化するときに、エネルギーが生じている。代謝それぞれの代謝経…
①代謝
食品に含まれる栄養素を、使いやすい形へと分解・変換する。
②解毒
アルコールや食品添加物など、人体に有害な物質を無害なものに変え、体外へ排出する。
③胆汁の分泌
胆汁は脂質の消化吸収を助ける。
これ以外にも、肝臓は「アミノ酸を合成してたんぱく質を作る」「消化酵素を作る」「筋・骨といった体組織を維持する」など、合計500以上の働きを持つとも言われている。
なかでも非常に重要なのが「血液のコントロールセンター」という役割だ。骨髄が赤血球を生成するために必要な葉酸、ビタミンB12の貯蔵庫であり、必要に応じて骨髄へそれらを送り出す。そのほか古くなった血液の分解なども行っている。肝臓自体がスポンジのように、血液を多く含む臓器であり、下大静脈や門脈といった重要な血管が通っている。
(2)肝機能低下の怖さ
肝臓が機能低下すると、そのまま血液の質が悪化するのとイコールで、けだるさやだるさの原因にもなりやすい。さらに関機能低下で解毒作用が衰えると、血液中のアンモニアが増え脳障害へ至るケースもある。
こうした疲労状態の肝臓を「疲労肝」と呼ぶこともある。これにより身体で見られるのが「老化」だ。アンチエイジングや若さの維持、元気に毎日を過ごしたいという人にとって、肝臓を労わるというのはとても大事なことだと認識してほしい。
実は、肝臓は最も温度の高い臓器とされている。肝機能が低下すると温度も下がるため、体内をめぐる血液も必然的に低くなる。冷えは万病の元とも言われる通り、肝臓の温度低下=血液の温度低下は、全身に様々な不具合が起きやすくなるのだ(ガンもまた、温度が低いと増殖しやすいとされている)。
そして、肝臓は「沈黙の臓器」と言われる。多機能で働き者なこの臓器は、非常に我慢強く悲鳴を上げにくい。肝臓自体に症状が出てくる頃には、往々にして他の臓器もボロボロとなっており、肝臓自体も処置が施せないほどという悲劇が待っているケースが少なくないのだ。
自覚症状が見られにくいからこそ、トレーナー自身はもちろんクライアントに対しても、肝臓の重要性を認知させる必要があるだろう。これは病気の予防や健康増進目的はもちろんのこと、トレーニングの効果を得たい、理想のスタイルを手に入れたいといったボディメイクニーズにとっても重要な項目だ。
(3)疲労肝の疑いがある症状
疲労肝の疑いがある症状としては、以下の項目が挙げられる。自身やクライアントで、これらのうちいくつ当てはまるかチェックしてみてほしい。なお、加齢に伴う身体の変化も当てはまるため、該当する=肝臓に異常があるとは考えずあくまで目安にすること。
・疲れやすい
・だるい
・イライラする
・お酒をおいしく感じなくなった(あるいは弱くなった)
・食欲低下
・寝つけない
・冷え性が悪化した
・抜け毛が増えた(毛細血管に血液や栄養が届きにくくなる)
・目の下のクマがとれない
・肌荒れ
(3)疲労肝を招く原因
疲労肝のリスク要因としては、以下が挙げられる。
・飲酒(アルコールの分解)
・肥満
・睡眠不足
・薬の服用(錠剤の糖衣の分解)
・喫煙
・添加物の過剰摂取
・過度なダイエット
・ストレス
1)ストレスと相談しながら習慣を変えていく
嗜好品である飲酒や喫煙は、それ自体が楽しみという人もいる。完全に断つことで、かえってストレスが溜まってしまうかもしれない。食品添加物も、完全にゼロにしようとすれば食事の楽しみが薄れるというリスクもある。
大事なことは、今ある習慣での無理のない取捨選択である。タバコの本数を半分にする。休刊日を週2日設ける。友人との会食は好きなモノを食べて、それ以外は自炊を心がける。できることを習慣に取り入れることで、ムリなく今よりも肝臓に優しい生活を送るようにするといいだろう。
もちろん、その生活の延長線上で禁煙や断酒ができそうなら、チャレンジしてみるといい。
(4)肝臓を「もむ」マッサージ
肝臓は、皮膚上で触れることのできる臓器とされており、マッサージによって疲労を緩和できると言われている。そこでカギとなるのが「イオンチャネル」の存在だ。
イオンチャネルとは、形質膜あるいは内膜系に存在する、イオンを透過させる役割を持つ膜タンパク質のことを指す。細胞には様々な栄養が運ばれ、代謝し老廃物が出ていく。こうした栄養と老廃物の入り口・出口の機能を担うのがイオンチャネルである。マッサージを行うことにより、イオンチャネルの働きを促進する効果があると考えられている。これを圧電効果といい、対象に圧を加えることで、電気刺激が生じるのである。
皮膚上から軽く圧迫することによる圧電効果は、肝臓にも働く。活性化された細胞によって、全身に血液と血液内の栄養が行き届きやすくなるというのが、このマッサージの利点だ。
【肝臓マッサージの方法】
肝臓マッサージには、2つの経穴(ツボ)を用いる。
・章門(しょうもん) 第11肋骨の下縁
・期門(きもん) 正中線の外方4寸(指4~5本分外側)で6・7肋骨の間
場所を特定し点でマッサージすることができればいいが、なかなか難しいものがある。再現性が低いので、もう少し分かりやすい方法を紹介したい。
①肋骨の下をさする
準備運動。肝臓を意識して、肝臓を軽く押すなどしてさする(約20秒)。
②ローリングしてさする
時計回り・反時計回りどちらでも構わないので、円を描くように指4本で周辺をさする
③腕組みをして肝臓部分(右側)を肋骨側から押し込む
押し込む+放すを何度か繰り返す。
ちょっと手が空いた時など、スキマ時間にやってみてほしい。「少し上半身の右側が軽くなったかも」という感覚を得られるはずだ(得られないからといって、過度な力で行わないこと)。
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