2022.04.02ブログ
第78回 リーキーガット症候群の予防〜避けるべき食事、食べたほうがいいもの〜
リーキーガット(Leaky Gut)症候群は、Leak=漏れる、Gut=腸からなる言葉であり、腸の粘膜に微細な穴が空き、異物が血管内に漏れ出してしまう状態を指している。リーキーガット症候群は小麦の摂取で腸内に起こる3大疾患の一つとされ、リーキーガット症候群以外にはセリアック病、クローン病が挙げられる。
(1)リーキーガット症候群の症状
腸内は「絨毛」と呼ばれる突起に覆われている。これにより腸内の表面積が広くなり、腸内での栄養素吸収がしやすくなる。絨毛には格子状のフィルターがかかっており、細菌が体内(血管内等)に侵入されるのを防ぐ(腸壁バリア)。
このフィルターに穴が空き、細菌等が体内へと侵入してしまうのが、リーキーガット症候群だ。
※腸壁バリア〜上皮細胞とタイトジャンクション〜
腸壁バリアを形成するのは、腸の表面を形成する上皮細胞だ。上皮細胞は糖たんぱく質、抗菌物質等を分泌していて、腸表面に菌を寄せ付けないようにしている。そして、上皮細胞の隙間はたんぱく質で構成される「タイトジャンクション」と呼ばれる組織で守られている。
リーキーガットでの「穴」というのは、このタイトジャンクションが緩み(あるいは壊れ)、腸壁バリアの一部が破綻することで発生する。
食物に含まれる成分は、基本的に人体を維持する上で欠かせない。消化吸収されずにそれらが体内へ侵入すると、「外敵」と判断し、免疫機能が体内で働く。成分がこうして攻撃されることで、体内で炎症が発生し、様々な症状へと至ることとなる。当然、細菌の侵入は人体へ直接的なダメージを与える事となるだろう。
リーキーガット症候群は、症状も多種多様だ。
・筋肉痛
・関節痛
・胸やけ
・息切れ
・腹痛
・抜け毛
・消化不良
・不眠症
・記憶力低下
・不安感
・疲労感
・口臭
・神経過敏
・食欲低下
・じんましん
・喘息
・アトピー性皮膚炎
・過敏性腸症候群
・お腹の張り など
リーキーガット症候群で引き起こされる炎症は、糖尿病や高脂血症、認知症を進行する要因になると知られている。
(2)グルテンがリーキーガット症候群を生むメカニズム
グルテンは、小麦などに含まれるタンパク質の一種のこと。グルテンはグリアジンとグルテニンという成分で構成されるが、グリアジンは腸壁の上皮細胞と結びつき、ゾヌリンを過剰分泌する。このゾヌリンにより、タイトジャンクションが破綻してしまうのである。
タイトジャンクションの破綻の原因となるのは、これ以外にもアルコールやカフェイン、唐辛子、キトサン(エビやカニに含まれる)等が挙げられる。
(3)リーキーガットを誘発する食品
グルテン、カゼイン、アルコールは、特にリーキーガットのリスクを高めやすい。また、精製糖質の入った食品や人口甘味料、添加物、グルタミン酸も、同様にリスクがある。リノール酸も、体内で炎症を起こしやすく、現代人は過剰摂取が心配されている問題の成分だ。
意外だが、不溶性食物繊維の多い食品も、リーキーガットにつながる可能性があると言われている。あくまで不溶性食物繊維「のみ」を摂取した場合であり、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を2:1のバランスで摂ることが、一部の医療機関では推奨されている。
(4)リーキーガット予防に効果がある食品
逆に、リーキーガットを予防・改善するのに次の食品(食事)が推奨されている。
1)プロバイオティクス
ビフィズス菌、乳酸菌等が該当し、腸壁バリアの機能を高める効果があるとされる。乳酸菌の一種であるロイテリ菌は、タイトジャンクションの発現を上昇させ、腸粘膜のバリアの完全性を維持する能力を持っているとも言われる。
ただし、小腸内細菌増殖症(SIBO)や過敏性腸症候群の診断を受けている人は、かえって症状が悪化しやすい。この2つに該当する人は、医師と相談の上で適量を摂取すること。
2)ビタミンA、D、B群、亜鉛、マグネシウムを多く含む食品(食事)
腸壁バリアの機能を維持するには、ビタミンA、D、B群、亜鉛、マグネシウムが必要だ。脂溶性のビタミンA、Dはホルモン作用があり、粘膜機能に直接関わる。腸粘膜が弱い人は、目や鼻、のど、肺、内臓など全身の粘膜が弱い傾向もある。ビタミンB群は、小腸の新陳代謝に関わる。
ビタミンD、亜鉛、マグネシウムは、タイトジャンクション形成に必要とされる。
3)たんぱく質(アミノ酸)
アミノ酸(グルタミン)は、腸内粘膜の材料になる。グルタミンはサプリメントでの摂取は賛否があり、なるべく食事から摂取したほうが良いだろう。
4)オメガ3の油
亜麻仁油や荏胡麻油、魚油等が挙げられる。タイトジャンクション形成に必要と言われている。
5)水溶性食物繊維
水溶性食物繊維を食べると、腸内細菌により短鎖脂肪酸が合成される。特に酪酸は、腸管バリアを維持するための役割を果たしており、酪酸の不足はタイトジャンクションの障害を引き起こし、最終的に腸の透過性を損なうとされる。水溶性食物繊維は体質的に合わない人もいるため、少量ずつ増やしていくこと。
6)ハーブ・サプリメント
特におすすめは、強力な抗炎症作用があるケルセチン、抗菌や抗炎症の作用があり下痢にも効くベルベリン、ウコンなどに含まれる黄色ポリフェノール化合物で腸の抗炎症作用があるクルクミンだ。カンナビノイドの一種であるCBDオイルも、腸の炎症を止める効果がある。
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