2022.06.26ブログ
第88回 レプチン抵抗性と健康、ダイエット~食欲をコントロールするための食事プラン
運動・食事・睡眠。ダイエットのみならず健康的な毎日を送るうえで、この三つのバランスはとにかく大事です。ここでは栄養学をテーマに、特に「食事」に関連したテーマでお話ししています。今日のテーマは、食欲と深い関係のあるホルモン「レプチン」です。レプチンが効きづらくなり、食欲が収まらない状態がなぜできてしまうのか。それを防ぐための食生活のポイントなどを紹介したいと思います。
食欲を抑制するレプチンの働き
レプチンは脂肪細胞で作り出されるホルモンです。食事によって血糖値が上昇し、脂肪細胞が刺激されることでレプチンが分泌されます。レプチンは飽食シグナルを伝達し、内皮細胞のレプチン受容体を通して血液脳関門を超えます。そして、満腹中枢を刺激することで食欲が抑制されるわけです。
ちなみに、レプチンの言葉の由来はギリシャ語の「痩せる(leptos)」からきており、名前通り肥満の抑制に欠かせないホルモンです(これまでに発見されたホルモンのうち、レプチンとインスリンのみが肥満の抑制作用で働いていると言われています)
よく「早食いは太るよ」というアドバイスを耳にします。特にひとつの目安となっているのが、「20分以上かけて食事をしないと太る」というものです。一般的に、レプチンは食後20分経過してから分泌されると言われています。20分よりも早いタイミングで食事をすると、十分なレプチン分泌による満腹感を得られず、そのまま食べ過ぎてしまいます。
その結果、オーバーカロリーの食事になり太りやすくなってしまうわけです。レプチンの働きを活かしたいなら、早食いの習慣をなるべく改善したいですね(早食いの改善は「ゆっくり噛んで食べなさい」という習慣とも結びつくのですが、今回この話は置いておきましょう)。
※レプチンの作用は食欲抑制以外にもたくさんあります
・摂食抑制 ・体重増加抑制
・エネルギー消費亢進
・交感神経活動亢進
・糖脂質代謝亢進
・血圧上昇
・骨形成抑制
・血管新生促進
・血小板凝集促進
・肝線維化促進
・免疫機能調節
レプチン抵抗性が肥満の呼び水になる?
インスリン抵抗性という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。膵臓からインスリンが分泌されているにもかかわらず、その感受性が低下していることでインスリン本来の効果(血糖値を正常範囲に下げる)が発揮されないことを指します。
これと同様で、レプチンにも「レプチン抵抗性」という言葉が存在するのです。肥満の方には多く見られる現象で、要は「たくさん食べているのに、満腹感が得られない」状態を指します。
レプチンは脂肪細胞から分泌されると話しました。つまり、肥満になり体脂肪が増えるほど、分泌量も増えて適正な体重を維持しようと働きます。とはいえ、ホルモンが多量に分泌されれば、その分高い効果を発揮するというわけではありません。レプチンの過剰分泌が進めば、レプチン受容体の感受性が低下して、正常に機能しなくなります。その結果、「いくら食べても満たされない」という問題に陥ってしまうのです。
レプチンの効果を発揮させるための食事のポイント
肥満になればなるほど、レプチン抵抗性により痩せにくくなる。ダイエットにおいて、この負のスパイラルは絶対に避けたいですよね。肥満であることでさまざまな疾患リスクが高まるので、そこも心配です。ここからは、実際にレプチンの効果を発揮させ、食欲をコントロールできるようになるための食事のポイントを紹介したいと思います。
①食物繊維を積極的に摂取する
血糖値を下げる作用のあるインスリンですが、「血中の糖分を脂肪に変え、体内で蓄積させる」という作用もあります。当然、脂肪細胞が増えればレプチンの分泌量も増えるわけですが、インスリンの分泌レベルが増えれば、結局レプチンの過剰分泌→レプチン抵抗性悪化につながります。大切なのは、適切なホルモンバランスを保つためです。
糖類中心の食事は、血糖値上昇が激しくインスリンレベルも高くなりがちです。食物繊維を適度に摂ることで、インスリンレベルの急上昇を防ぐことができ、レプチン分泌量も調節しやすくなります。
②動物性脂肪を減らす
動物性脂肪を与えて肥満・糖尿病の状態に誘導したマウスやらっとは、視床下部などで小胞体ストレスが亢進されると言われています。小胞体ストレスというのは、細胞小器官である小胞体でたんぱく質が蓄積されることで起こる現象で(本当はもっと細かい話なのですが、ここでは省略します)、小胞体ストレスが多くなると、レプチン抵抗性が悪化するという研究があります。
肥満気味の方(特に男性の方)は、脂肪分の多い肉類を食べがちです。とはいえ、動物性たんぱく質もしっかり摂りたいので、脂質の少ない肉(鶏胸肉)やオメガ3脂肪酸が豊富な魚を積極的に食べるなど、食事内容の見直しを検討してみてください。
③玄米を食べてみる
栄養が豊富な主食として、玄米は非常に有名です。玄米に含まれる成分「γ-オリザノール」は、視床下部の小胞体ストレスを減少させる役割があると言われています。ある研究では、マウスにγ-オリザノールを経口投与すると、耐糖能以上が改善され、視床下部の小胞体ストレスが減少したそうです。このマウスは、事前に高脂肪食を食べさせていました。
ダイエットや健康の一環として、玄米を食べるのは結構ありかもしれません。ちなみに、玄米に含まれるフィチン酸がミネラルの吸収を阻害し、栄養失調に陥るリスクがあると言われることがあります。最近の研究では、一般的な食事量で栄養失調のリスクは発生しないという研究もあるので、そこまで神経質になることはなさそうです。
とはいえ、玄米の独特な食感や食べた後の腹具合が合わず、食べるのがストレスになる…という人もいるのは事実です。食事でストレスが生まれるのは本末転倒なので、白米とうまく組み合わせたり、交互に食べたりするなどうまく取り入れてみましょう(もちろん、玄米が気に入ったのならぜひ継続して食べていきましょう)
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