2022.07.24ブログ
第90回 「納豆」の栄養をもう一度見直してみよう
納豆(なっとう)は、よく蒸した大豆を納豆菌によって発酵させた発酵食品です。一般的に「糸引き納豆」を指し、お菓子の一種である「甘納豆」とは異なります(Wikipediaより引用)。納豆はたんぱく質が豊富なことや発酵食品であることから、トレーニングをしている方から健康志向の方まで、幅広い層に愛されている食品です。
実際、普段から野菜は食べていない人でも納豆は健康のために食べている、という話をよく聞きます。調理のアレンジもいろいろありますが、ご飯にかけるだけでおいしいととても手軽な食品というのが、多くの人に愛される理由かもしれません。LINEが2021年に行ったリサーチでも、約500万人へのアンケートで約8割が納豆が「好き」と回答しているくらいです。
納豆の健康効果に関する研究
そんな納豆に関する研究は、さまざまな形で報告されています。2020年1月に国立がん研究センターが発表した研究では、45歳~74歳の約9人を対象に、約15年間の追跡調査を実施。食事アンケートをもとに、大豆食品と発酵性大豆食品(納豆、みそ)の摂取量と死亡リスクの関連を調べました。
その結果、大豆食品と死亡リスクとの関連は見られませんでしたが、発酵性食品が多い人ほど、死亡リスクが低下していたそうです。中でも、もっとも死亡リスクいていたのは発酵食品を毎日50g食べていたグループで、総合的な死亡率が10%低下したと報告されています。
50gの発行食品とは、おおよそ納豆1パック程度とのこと。この研究ではみそも含むので、明確に納豆だけの研究とは言えませんが、それでも手軽に死亡リスクを低下させる効果が認められた量の発酵食品を摂取できるという点で、納豆はなかなか健康にいい、と言えるでしょう。
納豆の栄養素
実際の納豆の栄養素を見てみましょう(糸引き納豆1パック50gあたり)
エネルギー 100kcal
炭水化物 6.1g
たんぱく質 8.3g
脂質 5.0g
飽和脂肪酸 0.72g
一価不飽和脂肪酸 1.10g
多価不飽和脂肪酸 2.82g
ビタミン
ビタミンB1 0.04mg
ビタミンB2 0.28mg
ビタミンB6 0.12mg
葉酸 60µg
ビタミンE 0.25mg
ビタミンK 300µg
ミネラル
カルシウム 45mg
鉄 1.7mg
ナトリウム 1.0mg
カリウム 330mg
マグネシウム 50mg
リン 95mg
鉄分 1.7mg
亜鉛 1.0mg
銅 0.3mg
セレン 8µg
食物繊維 3.4g
水溶性食物繊維 1.2g
不溶性食物繊維 2.2g
日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より
ズラーっと数字を並べましたが、この中で特に納豆に豊富な栄養素を、ピックアップしていきます。
マグネシウム
マグネシウムは600種類以上の酵素反応と関与しています。酵素反応の内容はエネルギー代謝、たんぱく質合成など実に多種多様です。生体内のミネラル量を比較しても、鉄が約5g、亜鉛が約2gに対して、マグネシウムは約25gと5~10倍の開きがあり、いかに体内においてマグネシウムが重要な存在であるかが分かります。
マグネシウムの重要性(1)概要と研究
マグネシウムは600種類以上の酵素反応と関与している。酵素反応の内容はエネルギー代謝、たんぱく質合成など実に多種多様だ。生体内のミネラル量を比較しても、鉄が約5g、亜鉛が約2gに対して、マグネシウムは約25と5~10倍の開きがあり、いかに体内においてマグネシウムが重要な存在であるかが分かる。
(1)日本人は…
マグネシウムは、日本人に不足しがちと言われるミネラルの筆頭ともいえる存在。それが納豆には豊富に含まれています。1パックあたりのマグネシウムが50mgで、成人男性(19~30歳)が1日で摂取したいマグネシウム量は400mg。納豆1パックだけで、1/8のマグネシウムを補充できます。
カリウム
カリウムは細胞内に存在して、水分保持に大きく関わります。成人男性(30~49歳)の摂取量の目安が2,500mgに対して、カリウム含有量は330mg。マグネシウムと同様に、納豆1パックだけで1/8のカリウムを補充できます。
食物繊維
言わずと知れた、腸内環境の改善に欠かせない食物繊維も、納豆には豊富に含まれています。18歳以上の男性は、1日あたり20g以上の食物繊維摂取が推奨されています(女性は18g以上)。納豆1パックの食物繊維量は3.4gなので、6/1以上の食物繊維摂取に貢献してくれるわけです。
ビタミンK
血液凝固作用や丈夫なの働きがある。特にひきわり納豆に豊富に含まれている。ビタミンKの目標摂取量は1日150μg以上。納豆は1パックで300µgあるので、これだけでビタミンKを十分量摂取できます。ちなみに、栄養素の一部は過剰摂取により体調悪化のリスクがありますが、ビタミンKはその心配はないとされている栄養素です。「1日の目安量の2倍以上摂取しても大丈夫だろうか…」と不安になる必要は、今のところないでしょう。
レシチン
ここからは、上で紹介していない栄養素を2つ紹介したいと思います。レシチンはリンを含む脂質「リン脂質」の一種で、脳神経・神経組織を構成しています。レシチンは、体内でビタミンに似た働きをするコリンという物質の前駆体でもあり、レシチン、コリンはいずれも神経伝達物質の生成に深い役割があります。
そのため、この2つが不足すると記憶力・認知機能低下を引き起こしてしまうのです。納豆や鶏卵は、レシチン、コリンが多く含まれる食品として有名です。
納豆キナーゼ(ナットウキナーゼ)
ナットウキナーゼは、納豆菌が作り出すたんぱく質を分解する酵素のひとつです。大豆の発酵によって生成され、高い抗酸化作用があると注目されています。そのほか、血栓の溶解、血圧低下、動脈硬化の改善、血中脂質の正常化、神経の保護といった作用があると言われています。
納豆菌について
納豆に含まれる細菌として、健康番組などでも紹介される「納豆菌」。納豆菌は「枯草菌(こそうきん)」といって、土や植物に存在する細菌の一種です。納豆菌は、稲のわらに多く生息していると言われています。
納豆菌の生存力は最強レベルで、マイナス100℃~プラス100℃や真空、天日干しなど過酷な環境でも生き残るほどです。そのあまりの強さから、酒蔵やパン工房など、酵母などを使う現場ではとても嫌われています。
よく、「納豆菌はほかの微生物と同様に滅菌処理されるから、市販の納豆にはほとんど含まれていない」という話を耳にします。確かに、完全に自然発酵した納豆を手に入れるのは困難で、自作するほかないという話もありますね。
とはいえ、市販で販売される納豆でも、十分に良質な栄養素が取れると考えていいでしょう。大豆製品で心配される遺伝子組み換え食品についても、あまり気にする必要はないと私は考えています。ただ、納豆の付属品であるからし・たれには「果糖ブドウ糖液糖」は、糖化により血管組織をもろくするリスクが非常に高いとされる成分が含まれていることが多いです。
納豆はしょうゆ、ねぎなどさまざまなトッピング・味付けで食べられています。おいしくかつ健康に食べるために、何と一緒に食べるのかにも意識するといいでしょう。
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