2022.08.14ブログ
第91回 むくみとたんぱく質不足の問題点
むくみは、女性の身体的な悩みとしてよく挙げられますね。医学的に「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれるむくみは、皮下組織に水がたまっている状態です。足やすねなどを指で押すと、その痕がすぐには戻らないといった状態が見られます。
むくみの特徴として挙げられるのは、こうした症状です。
・体が重い
・脚や顔がパンパンになる
・靴下跡ができる
2010年に一般社団法人日本女性心身医学会が行った調査では、化粧品販売で働く女性153名のうち、90%がむくみを感じているとも回答。特にふくらはぎにむくみを感じていたといいます。デスクワークの女性にも、むくみなどによる下肢の不快感上昇が見て取れました。
下肢の不快感やむくみは、立ちっぱなし、座りっぱなしなど長時間同じ姿勢であることで発生するわけですね。こうしたむくみはいわゆる「一過性のむくみ」と呼ばれます。一方、前述した原因がなくても状態的にむくみを感じる「慢性むくみ」も存在します。
「慢性むくみ」の原因は、心臓、腎臓、肝臓などの疾患とされているため、放置するのは危険です。一般的に言われる「一過性のむくみ」に関しては、大きく四つの原因があると考えられています。
・過体重
・栄養不足
・筋力不足
・水分不足
このうち、この記事では栄養不足という観点で、むくみの原因や解消・予防法を考えていきたいと思います。
たんぱく質不足とむくみの関係
私たちの血液中には、「膜輸送たんぱく質(膜輸送体)」というたんぱく質が循環しています。このたんぱく質は水に対して難溶性・不溶性の成分と結合して、これらの成分を身体の様々な場所へ運搬します。
膜輸送たんぱく質の特徴は、生体膜を貫通して物質を輸送できるという点にあります。これにより、身体の隅々まで物質を運搬できるわけですね。こうした膜輸送たんぱく質と生体内への物質の輸送には、皆さんもよく知る物質が関連します。
例えば、ヘモグロビンは赤血球内に存在し、酸素と結合し全身へと運びます。
肝臓で生成されるアルブミンは、血液中総たんぱく質の60~70%を占めると言われており、血液の浸透圧調整に必要なたんぱく質です。脂肪酸などの脂質、薬剤などと結合し、全身へ運ばれます。運動した際に発生した、遊離脂肪酸を体外へ排出する場面や、薬剤の栄養素を全身に運ぶ際にも必要です。
鉄結合性たんぱくのフェリチンが減少すると、貯蔵鉄の低下を意味します。フェリチンは、ヘモグロビンと共にATP産生(ミトコンドリア機能)に重要な役割を担ってもいます。
トランスフェリンは、鉄専門の血漿輸送たんぱくです。血中にて鉄イオンと結合し、必要な細胞へ届けます。
たんぱく質は「筋肉や身体をつくるのに必要」という理解は、一般にも広がっていると思います。しかし、食事や呼吸、体内で生成された生体に欠かせない成分を運搬するのにも、たんぱく質は重要な役割を担っているわけです。
むくみ予防とアルブミンの関係
アルブミンは、総たんぱく質の6割を占める非常に重要なたんぱく質で、栄養状態の指標にもなります。そして、このアルブミンはむくみ予防にも重要な役割を担っています。
アルブミンの濃度によって生じる浸透圧を、膠質浸透圧と呼ぶ。アルブミンは、膠質浸透圧を通じて毛細血管内に体液を保持する作用を持っています。
画質が粗いですが、上の図は血管内の浸透圧について説明したものです。本来、血中内にはアルブミンなどのたんぱく質が多く含まれているため、細胞から水分を吸収し、血管内の浸透圧を正しい値に保とうとします。
しかし、アルブミンなどのたんぱく質が不足すると、その欠乏状態に合わせた形で血管内の浸透圧を保とうとするため、細胞に水分を逃す働きを行ってしまうわけです。そうすることで、血管内の浸透圧は正常に保たれるものの、代わりに細胞には水分が溜まり、むくみへとつながります。
浸透圧の話は、夏場の水分補給を想像すると分かりやすいでしょう。夏場の水分補給は、汗で排出された塩分も同時に摂取するよう指導されると思います。水分だけを補給すると、体内の塩分濃度と水分量のバランスを整えるために、補給した水分をそのまま排出してしまうのです。結果として、水分を補給したのに体内に貯蔵できず、脱水症状に陥ってしまいます。
たんぱく不足でむくみ以外の体調不良も起こりやすい
血中内のたんぱく質が減ると、脂肪酸などの物質は血中を循環できないため、脂肪の蓄積されやすい身体になってしまいます。
血中内のたんぱく質が不足する原因として、単純なたんぱく質不足や、胃酸不足による消化不良などが考えられます。胃酸量に関しては、ペプシノーゲン(ペプシノゲン)という物質の血液中濃度を検査すると分かるので、不安な方は一度検査を受けてみましょう。もしも胃酸量が少ないと判断された場合は、梅干しや生姜を食前に食べることで、唾液量を補うといった改善策を試してみてください。
血液検査ではここをチェック
血液検査では、アルブミンの血中濃度や総たんぱく質(TP)なども調べられます。例えばTPの数値は、7.5g/dL以上であれば正常値です。Alb(アルブミン)の数値は正常値は4.0g/dl以上で、3.5g/dl以下を低栄養と判断されます。むくみの方は、特にこの数値をチェックしましょう。
アルブミンとグロブリンというたんぱく質の比率を示すA/G比という数字もあります。正常値は1.8~2.0で、ここでは肝臓のたんぱく質合成能力が正常化をチェックできます。
アルブミンの減少は、肝硬変や栄養失調、飢餓状態で起こると言われています。逆にグロブリンの上昇は、慢性肝炎、膠原病、感染症、骨髄腫で起こると言われています。アルブミンは肝臓で生成されるため、肝機能の状態も確認することができる。
アルブミンは栄養状態の指標とも言われる物質です。むくみを覚えている人は、食生活ではまず「たんぱく質量を増やす」という点を試してみてください。植物性たんぱくだけでなく、動物性たんぱくも積極的に食べましょう。
#FUJIIパーソナルジム #杉並区 #方南町 #駅近 #筋トレ #ダイエット #パーソナルトレーニング #ボディメイク #健康 #美尻 #体験トレーニング #FITFOODHOME #@fitfood_home
Category
New Article
Archive
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年4月