2022.09.17ブログ
第93回 痛風への栄養学的アプローチ。食べるべきもの、避けるべきもの
痛風はとは、尿酸が体内で蓄積して結晶(これを尿酸塩結晶と呼びます)ができ、身体のさまざまな部位(主に皮下や関節、腎臓)に沈着します。こうした沈着した尿酸塩結晶が炎症を起こし、激痛が生じるのです。
この疾患の背景には、高尿酸血症などの病気が考えられています。いかにも痛そうな病名ですが、この日本語の由来は諸説あるようです(Wikipediaより)
①痛みが起こる場所(発作の箇所)が、まるで風が吹くように足・膝・腰・肩・肘・手・胸骨など、全身の関節や骨端部を移動し、なおかつ風が強くなったり穏やかになったりするように痛みが酷くなったり和らいだりを繰り返すことから命名されたという説。
②痛みの悪風に中る(あたる)という意味で「痛風」となったとする説。
③痛み発作が出ている部分は吹いてきた風が当たるだけでも痛いから「痛風」となったとする説。
いかにも痛そう…。実際に、痛風の痛みは想像を大きく超えます。一部の医療関係者は「息ができないほどの激しい痛み」と表現するレベルです。「痛風になると足に激痛が走り歩くのも困難になる」と一般に言われますが、それは痛風で最も多いのが足趾(親指)の関節内への結晶沈着だからだとされています。
また、結晶がじん臓に沈着すると、腎不全などの重大な病気にもつながりかねません。こうした痛風の改善や予防を、栄養学的な観点で考えていきたいと思います。
痛風とプリン体、尿酸の関係
痛風は「高尿酸値血症」という別名がある通り、尿酸値が高いことで発症することが知られています。尿酸は、肝臓で生成される代謝物の一つです。食べ物由来のプリン体と、DNAやRNAなどの核酸が分解され生じたプリン体の、最終代謝物とされています。
プリン体は、運動や臓器を動かすエネルギー物質であり、核酸の主構成成分でもあります。そこから代謝されて発生した尿酸は、老廃物として体内には蓄積されず、最終的に排出されます。
とはいっても、尿酸は「最終代謝物の老廃物で、人体に何の役割もない」というわけではありません。尿酸には生体に悪影響をもたらす、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
体内の尿酸蓄積量の基準値(尿酸値)は、男女で以下のように定められています。
<尿酸値の基準>
男性で3.8~7.5mg/dL
女性で2.4~5.8mg/dL
これは、この後に紹介する「尿酸値を上げやすい食品」を、多く摂取しているとも考えられます。しかし、それとは別に尿酸値が高い人は「ストレス値が高い」と診断されることも多いです。それは、抗酸化物質として有名なビタミンCが体内で不足している代わりに、尿酸が生成されているのではないかと考えられているからです。
じゃあ、ストレス過多の生活を送っている=尿酸値が高いというわけでもありません。ストレスに対する生体の反応が弱くなっていることで、尿酸値が低くなっていることも考えられます。尿酸値が高め・低めという人は、まず現状の生活を見直すところから対策を練った方がいいでしょう。
尿酸値が低い場合は、高い場合のように「痛風のリスクにより痛みが生じる」といった自覚症状がありません。ストレス以外で考えられるのは、腎機能の低下です。放置しておくと、運動後急性腎障害(運動後数時間すると急な腰背部痛、嘔吐などが生じる)や尿路結石に至ることがあるので、十分な注意が必要です。
尿酸値と食品について
痛風の要因となる尿酸値を上げやすい食品として、以下の二つが代表的ですね。
アルコール
アルコールは、分解の段階でプリン体が作られることが分かっています。尿酸値が高い方は控えるようにしましょう。
果糖
果糖はフルクトース1リン酸から、乳酸へと代謝されます。体内で分解されたリン酸は、尿酸へと変わり、尿酸値を上げることが確認されています。
果糖といえば、フルーツを思い浮かべる方も多いかもしれません。実際に問題になっているのは、ジュースなどに含まれる「果糖ブドウ糖液糖」などの添加されている糖分です。
尿酸値を気にするのであれば、この果糖ブドウ糖液糖を含む食品は嗜好品として楽しむ程度にして、常飲・常食するのは控えた方がいいかもしれません。果糖ブドウ糖液糖は、その甘さからドーパミンなどのホルモンが分泌されやすく、中毒のように欲してしまう場合も見られますからね…。
ホルモン系
牛肉、豚肉、鶏肉に関わらず、ホルモン系はプリン体含有量が非常に多いです(ちなみに、豚肉は部位に関わらずプリン体が多めです)。これは陸上の動物に限らず、アンコウの肝や白子、カズノコ、たらこなど魚介類の内臓も同じです。
逆に、尿酸値が低い食品でおすすめしたいのは、次の通りです。
鶏肉
鶏肉にはベータアラニン、メチルヒスチジン、イミダペプチド(アンセリン)などの栄養素が多く含まれています。これらの栄養素は、尿酸値を下げる作用が認められているので、非常に優秀なたんぱく源です。
ただ、鶏肉は鉄や亜鉛などのミネラルが、他の肉類と比べると少ないとされています。トレーニーの多くは「鶏肉こそ至高」と、ささみを毎日食べている人も多いですよね。サプリメントで補うという発想もありですが、こうした偏った食事は避けて、たまには豚肉・牛肉といった他のたんぱく源も摂るようにしましょう。
ビタミンCが多い食品
キャベツ、じゃがいもなど、果物はビタミンCが豊富です。ビタミンCには尿酸の排泄を促す働きがあるとされているので、尿酸値が高い人は意識的に食べていきましょう。
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