2022.11.20ブログ
第97回 良質な脂質を持つアボカド、魚は認知機能改善にもつながる!【栄養学を極める】
質の高い脂質を多く含む食材として、よく知られているのが「アボカド」と「魚介類」ですね。アボカドには一価不飽和脂肪酸「オレイン酸」が多く含まれ、血中コレステロールを適正に保つということから、生活習慣病の予防効果が期待されています。
魚介類の脂質と言えば、不飽和脂肪酸に分類されるn-3(オメガ3)系脂肪酸のEPA、DHAですね。いずれも、血中コレステロールを減らす働きがあり、中性脂肪を減らし血栓の予防、動脈硬化の予防が期待できます。
とまあ、良質な脂質源として有名な2つの食品ですが、実は認知機能改善にも効果があると言われています。今回はさまざまな研究を引用しつつ、アボカドと魚を食べたくなるような健康効果を紹介したいと思います。
肥満の人がアボカドを食べるとどうなる?
過剰な脂質の摂取は、認知機能障害のリスクを増加させることが知られています。その中で、キサントフィルである※ルテインが多く含まれるアボカドの摂取は、認知機能の改善効果も期待されています。
※ルテイン
アボカドには、100gあたり0.256mgのルテインが含まれていると言われています。ほうれん草、ブロッコリー、グリンピースなどに多く含まれるルテインは、目の中の水晶体や網膜の中心部にある黄斑部に存在している天然色素です。ルテインには強力な抗酸化作用があり、目のさまざまな疾病の予防に効果があるとされています。
また、ルテインは脳内の酸化ストレス・炎症を抑制する働きもあるとされています。高齢者がルテインを摂取することで、神経効率を高め認知機能の改善・向上に効果があることが分かっています。
2020年の研究では、肥満の成人において、アボカドの摂取が認知機能およびルテインの状態に及ぼす影響を調査しました。
研究では、25~45歳の成人84名(男性31名、女性53名)を対象に、新鮮なアボカドを12週間毎日摂取するグループ(47名)と、アボカドを摂取しないグループ(37名)とに分けて、実験を実施しました。血清ルテインと 黄斑色素の光学的濃度(Macular Pigment. Optical Density、通称「MPOD」)によって、ルテイン量の変化を調査しました。
なお、この実験では「フランカー課題」という、実行機能の抑制機能を評価する課題で認知機能を評価しました。抑制機能というのは、日々の行動を調整する機能のひとつで、不適切な行動を抑制する際に働きます。前頭葉の脳領域である右脳の下前頭皮質、前補足運動野などが関わっている機能です。
フランカー課題は5つの並列した刺激に対して、中央の刺激が左右のどちらを向いているか判断するというテストです。簡単に言うと、左右いずれかを向いている魚の絵を見て、真ん中の魚がどちらを向いているか回答します。
引用元:https://yab.yomiuri.co.jp/adv/wol/research/kyoso_141125.html
実験の結果、12週間アボカドを食べたグループは、血清ルテイン量の増加とともにフランカー課題の正確性の改善が見られました。一方で、MPODの量の変化はなかったそうです。
このことから、肥満成人が12週間毎日アボカドを摂ることで、抑制機能の改善ができると分かりました。ただ、この研究ではルテイン濃度と認知機能の変化とに、明確な相関関係は見られなかったと結論付けています。
とはいえ、血清カロテノイド値(血清中のルテインとゼアキサンチン値)が増えると、認知症のリスクが低下することはさまざまな研究から報告されています。アボカドを食べることで、今回実験に参加した若い世代の認知機能改善につながることは、間違いないと言ってもいいでしょう。
魚の摂取量が身体と認知機能に与える影響
さて、次に紹介するのは魚に関する実験です。冒頭でも紹介した通り、魚介類にはエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)が多く含まれており、血中コレステロール値の低下に効果を発揮します。
2022年に発表された研究は、こうした脂肪酸の補給をこれまでの実験では、魚の摂取と認知症リスクの相関関係を示したものが少ないと指摘。魚の摂取量(正確にはEPA、DHA摂取)が、認知症またはアルツハイマー病(AD)にどう関連するかを調査しました。
この研究では、論文データベース(PubMed、Scopus、Web of Science)から、魚の摂取と認知症またはADとの関連、あるいはEPAやDHAの補給が認知機能低下のリスクに与える影響のいずれかを評価した原著論文を検索。それぞれのデータを抽出して、研究方法や研究結果、信ぴょう性などを評価しました。
その結果、週2回かつトータル250gまでの魚の摂取は、認知症リスクを10%減少させ、またADリスクを30%減少させるのに効果を発揮していたそうです。なお、EPAおよびDHAの体内量の変化は、実験参加者の実行機能にプラスの影響を与えましたが、全体的な認知パフォーマンスには影響を与えませんでした。
このことから、認知機能の低下に対する魚摂取が与える影響は、週2回でも十分に効果があることが分かりました。逆に言うと、毎日魚を食べているとしても、週2回魚を摂取する人と、認知機能の改善には大きな影響が見られなかったと言えます。魚が苦手な人の場合、週2日(トータル250g)は魚を摂取するようにするというのを、健康・美容のための食習慣にするといいでしょう。
飽和脂肪食は食べた直後の認知機能にも影響する
最後に、脂肪酸の一種である飽和脂肪酸の摂取に関する研究を、おまけ的に紹介したいと思います。
飽和脂肪酸の摂取や、血中に内毒素(エンドトキシン)が蓄積されて発症するエンドトキシン血症は、認知機能を低下させるリスクがあることが分かっています。2020年の研究では、51名の女性を対象として、高飽和脂肪食あるいは高オレイン酸食を摂取後、認知機能のテストを実施。中長期的な脂肪食の影響ではなく、急性的に「高脂肪食が認知機能にどう影響するのか」を調査しました。
実験の結果、高飽和脂肪食を摂取した直後のテストでは、高オレイン食の摂取後よりも認知機能の低下が見られました。同時に、内毒素の値が高い女性は、いずれの食事の後も、認知機能のパフォーマンスを維持することができなかったそうです。
このことから、高飽和脂肪食は摂取直後の認知機能にも、悪影響を与えていることが分かります。仕事の合間に食べるランチで、揚げ物などの定食を好んで食べている人は、お昼からの仕事のパフォーマンスが低下しているかもしれません。
同時に、内毒素が多い状態の人は、たとえ良質な脂質を含む食事を取り入れていても、それによる健康効果を維持できない可能性があることも、この研究では示唆されています。内毒素を減らすには、
- 食品添加物を減らす
- 栄養補助食品(サプリメント)を過剰摂取しない(なるべく日常の食事で栄養摂取を心がける)
- 薬を多用しすぎない
- 喫煙をやめる
- 芳香剤を使いすぎない
- 水や水分を多く含む食材を食べ、尿・大便・汗などによる毒素の排出を促す
こういった生活を意識しましょう。
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