2022.12.24ブログ
第99回 ピーナッツのアレルギーと健康効果〜短期記憶改善もあるって本当?〜
ピーナッツは、約1,600種もあるとされているほど、種類が豊富です。世界で流通しているのは「ヴァージニア」「スパニッシュ」「バレンシア」と呼ばれる品種で、日本で見られるのはヴァージニアという、もっとも粒が多い品種とされています。ピーナッツはどちらかというと、若年層にとってはアレルギーを引き起こす食品として知られています。
ピーナツアレルギー
アメリカなどでは、ピーナッツアレルギーは重度の食物関連アレルギー反応の大部分を占めると言われるほど、多くの人で見られます。ピーナッツの世界の消費量を比べると、アメリカは第4位の230万メートルトンなので、それが影響しているのかもしれません(ちなみに、第1位は中国、第2位はインド、第3位はナイジェリアで、生産量のランキングもほぼ同じです)。
ピーナッツアレルギーは、人生の早い時期に発症する傾向があります。重度のアレルギー患者の場合、微量のピーナッツでもアレルギー反応が引き起こされやすいです。
食物アレルギーの90%以上は、牛乳、卵、大豆、小麦、ピーナッツ、木の実(クルミ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ペカン、ピスタチオ)、魚、甲殻類の8つの食物によって引き起こされています。すべての食物アレルギーは、アナフィラキシーを誘発する可能性を秘めていますが、一部の食物は、生命に関わる反応を引き起こす可能性が他のものより高いです。アナフィラキシーと関連性の深い食物アレルギーは、その分治癒の可能性も低いと考えられていて、この食品に分類されるのがピーナッツ、木の実、魚および貝類です。
アメリカでのアナフィラキシー反応による救急搬送のうち、食物アレルギーがもっとも高い割合を示します。その中で、特に多いのがピーナッツや木の実由来のものです。こうしたさまざまな要因から、ピーナッツアレルギーはアメリカで非常に問題視されています。
ピーナッツアレルギーの原因
ピーナッツアレルギーの原因物質は、ピーナッツに含まれるヒスチジンだとされています。ヒスチジンは、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一種です。ヒスチジンは、体内の酵素によってヒスタミンへと変換します。
ヒスタミンは、末梢神経系・中枢神経系に広く分布する生理活性物質です。細胞は損傷を受けると、組織周辺の肥満細胞や血中の好塩基球が、ヒスタミンを放出します(炎症反応)。放出されたヒスタミンによって、体内では血管拡張、発赤、発熱、腫脹、疼痛が引き起こされます。そして、高濃度のヒスタミンは気管支の収縮や、じんましんを発生させてしまうのです。
ヒスタミンの厄介なところは、熱を加えても安定性を保てる性質をもっていることにあります。調理・加工でも除去が難しく、アレルギーを防ぐことが困難だと言われています。
ピーナッツアレルギーの症状誘発閾値は、タンパク質量として、100μg~1gと、非常に幅があります。ちなみに、ピーナッツの100g中のタンパク質量は27gとされているので、仮に1gでアレルギーが誘発されるとすると、ほんの3〜4粒でアレルギーに至る可能性があると考えられます。また、これより少ないごくごく微量でも、アレルギー症状を覚えることがあるので、摂取量には十分注意が必要です。
ナッツ類はボディメイクをする時、手頃な間食として紹介されます。しかし、こうした注意点も必ず考慮するようにしましょう。少しでも体調に変化を覚えた時は、ピーナッツだけでなくナッツ類全体の摂取をいったんストップしてください。
ピーナッツの栄養価と健康効果
アレルギーの原因になるのなら、食べないほうがいいのでは?と思われてしまうピーナッツですが、もちろん食べることのメリットも多いです。そのメリットは、さまざまな栄養を豊富に含む点にあります。ピーナッツに含まれる栄養成分は、これだけ挙げられます。
- トリプトファン
- アスパラギン酸
- グリシン
- アルギニン
- 不飽和脂肪酸
- ビタミンB1
- ビタミンE
- カリウム
- ナイアシン
- マグネシウム
- リン
- 鉄
- 食物繊維
また、ピーナッツの薄皮にはポリフェノール、レスベラトロールなど、抗酸化作用、アンチエイジング作用が認められている成分も含まれることが分かっています。このように、ピーナッツは量さえ適切に管理できれば、間食の栄養補給にはぴったりです。
さらに、ピーナッツは記憶力の向上にも効果があると報告する研究もあります。ある研究では、「ピーナッツはアレルギーの心配も懸念されているが、栄養成分を加味すると記憶力の向上やストレス反応にいい影響を与える可能性があるのではないか」という観点で、健康な若者63名を対象とした実験を行いました。
63名の被験者は、「ローストピーナッツ」「ピーナッツバター」「ピーナッツオイルから生成されたバター」の3種類を摂取するグループに分けて、それぞれを6ヶ月間毎日摂取しました。そして、各被験者のポリフェノール摂取量、認知機能、不安・抑うつ状態にどう変化が起きたかが調査されました。
その結果、ローストピーナッツを食べたグループは、生成バターを食べていたグループより明らかに不安や抑うつ状態の改善が確認できました。また、ローストピーナッツとピーナッツバターを食べていたグループは、短期記憶の改善が確認できたそうです。比較的早い時間に、ピーナッツを間食として摂取すれば、仕事中の記憶力や集中力のアップを狙えそうな結果ですね。
こうした結果から、ピーナッツやピーナッツバターを継続的に摂取することで、若年世代の記憶機能およびストレス耐性を高める可能性があることが判明しました。
ピーナッツの適量
ナッツ類は総じて、脂質が多いためカロリーが高いと言われています。ピーナッツは他のナッツ類よりも低カロリーと言われますが、それでも100gあたり585kcalあると言われているので、ダイエット的な意味合いでも「食べすぎに注意」な食品です。一応、1日の摂取量としては30g程度(1粒1g程度なので、合計30粒程度)を目安にするといいでしょう。
…と、この話は上で紹介したアレルギー症状誘発閾値と加味して調整してください。しばらくは1日30粒程度を目安に摂取し、体調にネガティブな変化を感じた場合は、一度ピーナッツやナッツ類の摂取を中止し、体調が回復するか確かめましょう。
特に問題がなかった人は、健康および脳機能改善的な用途として、ピーナッツを食事に食わてみてください。
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