2023.01.14ブログ
第101回 「玉ねぎ」はやっぱりすごかった~国内屈指のフラボノイド供給源の実力~
特に栄養の知識がない人でも、「玉ねぎは健康にいい」という話を聞いたことがあると思います。健康にいい食品の代名詞としても、玉ねぎは有名ですよね。非常に多くの料理に使われていて、玉ねぎが好きという人も多い一方、玉ねぎが苦手という人も意外と多いという、割と好き嫌いが分かれる食品でもあります。
今日は、そんな玉ねぎの話。特に、ねぎに多く存在するポリフェノールが、とても健康にいいんだよという話をしたいと思います。
最古の栽培植物の一種=玉ねぎ
玉ねぎとニンニクは、最も古い栽培植物のひとつで食用・薬用と多彩な用途で利用されています。この2つは、ダイエット食・健康食として注目度が高い地中海食でもよく使われていますよね。植物から摂取できる栄養素の豊富な供給源でもあり、がん、冠動脈性心臓病、肥満、高コレステロール血症、2型糖尿病、高血圧、白内障、消化器官の疾病など、多くの病気の治療や予防に使用されています。
こうした健康効果は、玉ねぎの辛味の原因物質である、揮発性硫黄化合物でのチオスルフィネートが関係していると言われます。切る前の玉ねぎには、含硫アミノ酸が豊富に含まれていますが、これは有害物質を排出する効果があります。含硫アミノ酸は辛みやにおいを発しませんが、玉ねぎを切るとチオスルフィネート類に変化、これが辛み成分として働くわけです。しかも、チオスルフィネートは血栓を溶かす作用があり、また空気にさらすとトリスルフィドに変化し、抗酸化効果をさらに高めます。
また、玉ねぎにはフェノール類、ステロイド類の化合物も豊富で、これが薬理的作用に働いているとされます。
玉ねぎはフラボノイドの供給源としても有名
さらに付け加えると、玉ねぎの球根は、数々の野菜のなかでも「最も豊富なフラボノイドの供給源」でもあると言われています。玉ねぎの球根には、フラボノール類やアントシアニン類、ジヒドロフラボノール類に属する化合物の含まれている割合が非常に高いです。例えば、スーパーなどでよく見る一般的な玉ねぎである「黄玉ねぎ」は1kgあたり270~1,187mgのフラボノールを含み、赤玉ねぎは1kgあたり415~1,917mgのフラボノールを含んでいます。
玉ねぎにおいて最も多く含まれているフラボノイドはフラボノール類で、少なくとも25種類のフラボノールが確認されています。その中で、特に玉ねぎで注目すべきフラボノイドは「ケルセチン」とされています(ここについては、また後で詳しく紹介する予定です)。最近の報告では、玉ねぎの外側の乾燥層には、ケルセチンとプロトカテク酸(野菜や果物など多様な植物性食材に存在する安息香酸関連成分)の縮合物などが含まれていることが分かっています。ちなみに、赤玉ねぎの場合だと、少なくとも25種類のアントシアニンが発見されているそうです。
玉ねぎに含まれる「ケルセチン」ってなに?
先ほど、名前の紹介にとどめたケルセチンですが、これは玉ねぎの黄色色素として有名なフラボノイドです。野菜や果物に最も広く存在するフラボノイドでもあり、日本で手に入る食品のなかで、最もメジャーな供給源が玉ねぎだとされています。それ以外の供給源としては、リンゴ、ブロッコリー、サニーレタス、モロヘイヤなども有名です。
ケルセチンは、フラボノイドの中でも非常に強い抗酸化作用があります。そのため、酸化ストレスによって誘発されるガンや動脈硬化、糖尿病などの予防にも、重要な役目を発揮すると言われています。糖尿病のラットを用いた実験でも、長期間玉ねぎを摂取すると、酸化ストレスの軽減や血糖値を下げる効果が確認されたそうです。
ケルセチンは、油と合わせて摂取すると吸収効率が高まるとされています。玉ねぎを使った料理と言えば、カレーが有名ですよね。そのほか、玉ねぎは油脂食品と合わせた料理が非常に多いので、ケルセチンの摂取はしやすいと言えるでしょう。
ただし、玉ねぎでケルセチンが最も多く含まれるのは、外皮だとされています(もちろん、実にも多くのケルセチンが含まれます)。料理で外皮を使用する機会は、それほど多くないでしょう。ですが、そこを捨てるのは非常にもったいないです。玉ねぎの外皮の活用としては、「玉ねぎの皮茶」があります。
【玉ねぎの皮茶の作り方】
①玉ねぎの皮を水洗いする
②玉ねぎ5~6個の皮に対して水1Lを用意して、10分程度煮込む
レシピとしては簡単です。玉ねぎの皮茶は非常に苦いので、あまり長時間煮だすのはおすすめしません。実際に飲むときも、水やお湯をさらに加え、薄めて飲むようにしましょう。
ケルセチンは認知機能の改善にもつながる
ケルセチンは、加齢に伴う認知機能低下を抑制すると考えられています。その潜在的な機能を解明するために、2021年に行われた実験では、60~79歳までの健康的な日本人70名を対象に、玉ネギを24週間継続摂取させて、認知機能がどのように変化したのかを調査しました。実験では、1日あたり50mgのケルセチンを摂取しました。日本人の平均摂取量は16.2mgとされているので、その約3倍を摂取したことになります(ケルセチン単体の過剰摂取ラインは、1日100mgといわれています)
この実験の結果、ケルセチンを摂取していたグループの認知機能は、プラセボ食品群と比べて有意に改善されたことが確認できました。仕事や勉強の合間に、玉ねぎの皮茶を積極的に飲めば、集中力がアップするかも?…というのはさておき、日常的に玉ねぎを食べることのメリットが、この実験でも証明されたわけですね。
【コラム】玉ねぎ嫌いはプライベート重視派?
玉ねぎといえばカレー。ということで、ボンカレーの運営する「日本人と野菜ラボ」は、苦手な野菜から見る生活スタイルや性格、恋愛傾向を調査するという、面白い試みを行っています。第3回は「日本人の働き方」をテーマに、20歳以上の1,000人にアンケートを実施。嫌いな野菜の種類から、働き方の特徴を調べてみたそうです。
調査対象となったのは、じゃがいもと玉ねぎ、トマト、きのこ、ブロッコリーの6種。調査の結果、玉ねぎが嫌いと回答した人は、ワークライフバランスで「プライベートを重視する」と回答した人が、全体の平均より8%多かったそうです。皆さんはどうですか?ここに当てはまっていますか?
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